白の魔法は刻を埋める

小学六年生のとき、好きな女子から思わせぶりな呼び出しをされた“僕”。しかし、週明けの早朝、待ち合わせ場所に彼女は現れなかった。からかわれたのか……落胆した“僕”は教室に戻り、彼女が来られなかった理由を知る。担任の先生から語られたのは、彼女が前夜、事故死したという事実だった。呼び出した用事が何だったのか、分からずじまいで、彼女はいなくなってしまった。
十三年後、同窓会が催され、“僕”は彼女のことを思い出し、みんなと話題にした。その中で、亡くなった夜の彼女の行動にちょっとおかしな点が見付かって……。