第8話 脳筋聖女と魔王様
俺は魔王である。全ての魔族や魔物を総べておるのだが……
最近何かおかしいのである。
俺は人間殲滅計画を立てていた。そのために心強い味方を前線に向かわせていたのだが………
ある時を境に俺の味方があっという間に倒されてしまうのだ。
幹部の1人、魔草のソラからの連絡は途切れ、派遣したドラゴン達からの連絡もない。
気になった俺は人間そっくりの分身を作り、人間たちの街に向かわせた。
あまり近づかれるとバレる可能性もあるので陰でこっそりと様子を伺っていた。
その街に試しにブルードラゴンを襲わせた。果たして敵は一体誰なのか、倒すべき相手は誰なのか。それを知らなければならない。
「よーし!またドラゴンね!色違いだから味が違うのかしら?」
ん、ただの女か?いやとてつもないほどの力を感じる。もしかしてこいつがドラゴン達を屠った元凶⁈
「聖女様、私には味の違いなどまったくわかりませんでした」
護衛らしき人が1人のみ…………こちらもかなりの実力者だとわかる。
「そう?ブラックドラゴンは油が1番のっていて、レッドドラゴンは生のまま食べても全然いける美味しさだったわ!」
「まあたしかに美味しかったです…………」
会話が聞こえんな………ドラゴンを倒す計画でも立てているのだろうか?
「じゃあいっくよぉ!!!!」
ブルードラゴンが水を吐き出す。その水を軽く避けて目を潰す、そして剣で首を切り落とす。
(聖女様が動き出してからここまでで約0.5秒)
なっなんだと⁉︎一瞬であのブルードラゴンを倒した⁉︎
あっありえん……ブルードラゴン1体だけで国の1つや2つ簡単に滅ぼせるというのに………
「ん?なんかそこにいる?」
なっ⁉︎この私の隠密がバレた、だと⁉︎おかしい、私の隠密を見破れるのはこの世界にただ1人としていないはずだ。
「なんか邪悪な気配を感じるなぁ………」
俺の近くへ向かってくる。まずい、殺される……
息を殺し、隠密に魔力を全振りする。
「ふふふ、出ておいで?」
ひっ、…恐ろしい。バレませんようにバレませんように………
「まあいっか!ブルードラゴンを速く持って帰らなきゃ!」
たっ、助かった………そして俺の分身はなんとか魔王城に戻ることができたのだった。
正直、すぐに逃げたい。あの化け物に殺されたくない。だが俺は魔王だ、逃げる事は許されない。
聖女!俺の仲間を殺した仇、絶対に取ってやる!!!!覚えてろよ!!
脳筋聖女の暴走記録! @SAKUSYA
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。脳筋聖女の暴走記録!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます