ふたりで暮らす小さな家は、たくさんの愛情でいっぱいなんです

ネヴィレッタは魔法騎士として有名な家に生まれたというのに、まったく魔法が使えない。

家族どころか、召使たちにも虐げられて過ごす彼女は、「自分にもなにかできないだろうか」と考えた末、王子に頼まれるまま、最強の魔法使いと言われるエルドを騎士団に引き戻すため、説得に向かうのですが……。


とにかく、冒頭から、ネヴィレッタを応援したくてならない!
あんた、もう少し自信を持ちなさい、と励ましたくなると同時に、彼女を傷つけるやつらに腹が立ってならない。

家庭って、閉鎖されているので、外に出ない限りは、「これが普通」って思っちゃうところがあるんですよね。家族の言うことを、信じちゃう。

「その家庭、その家族、変だよ! あなたにとって有害でしかないよ!」と、言ってやりたいけど、本人が外に目を向けない限りは、気づかない。

そんな彼女が初めてなんとか触れ合おうとしたのが、この国最強の魔法使いエルドでした。

彼、良い人なんですよー。もう、めちゃくちゃいい人。
出会いは最悪だけど(笑)

そして、最悪と言えば。
主人公ネヴィレッタの妹ヴィオレッタ!

この小娘……っ。この小娘が……っ!!
めちゃくちゃ腹立つんですよ!!

第10話なんて、私、物語の中に入って、どつきに行こうかと思った。

こんな性格の悪い女、みたことない!
だからこそ、ざまあ展開になったとき、すかっとしましたよ、ええ。

作品は十万字を超えていますが、とても読みやすく、文字数を感じさせません。

ぜひぜひ、ご一読を。