女子(男子も可)の大好きなものを全て詰め込んだかのような

 小説はスイーツ、作者はパテシィエール、甘く優しい多幸感に、恋の刺激のエッセンス。

 読書を始める際にまず、お茶会に添えられた菓子をイメージして頂きたい。
 そして、アナタはお嬢様、お姫様になる。女性読者なら特に、男性なら、まあ、なっても良い。

 三角関係、板挟みは恋の常、筋肉と脂肪、格好いいと可愛い、身分や歳の差、あれこれの折り重なったミルフィーユ。

 口に運ばれる前の菓子は、煌びやかな見た目も大事。

 話中、花の匂いや彩り、衣服のデザインやフリルの数、或いは人の営みの機微、その全てが豪奢とは言えないにしろ、ときに感じられる奥ゆかしささえ、物語の飾り付けと楽しもう。
 それこそファンタジーの特に恋愛に於いては、最良のフレーバーではないだろうか。

 お手軽さ、というのも今やスイーツの魅力のひとつを担う。有名ブランドの洋菓子だって、コンビニエンスストアとコラボレーションする時代だ。
 重々しくコッテリとしていて、飲み物無しでは、などという作風ではない。

 まして、どちらが美味しかったですか? などとイケメン秘書と健気な王子の2品のフレーバー違いを出されては、手軽で美味しく、ついついどちらも、という読書感。

 召し上がった感想は、各々に任せるとして、レビューを菓子に例えた理由、おわかり頂けただろうか。
 それこそ、女子(男子も可)の大好きなものを全て詰め込んだような、と言えはしないか?

 余談だが、美と健康の為に、私は性別を問わず筋トレを推奨する。