異世界ファンタジーとは斯く在れ!"傑作"とも言うべき新進気鋭の魔族譚!

長くなりそうなので、もう最初から言ってしまいましょう。
この作品、超面白いです。
えー、理由根拠どうのこうのはダラダラと下に連ねていくので、そんなん付き合ってらんねーよって方は一直線に作品の方を読みに行ってください。面白いんで。面白いんで(威圧)。

ではでは、僭越ながら感想の方を。
聖なる神を信仰する教会にとって、魔物とは粛すべきモノ。その前提を真っ先にぶち壊されるのがこの作品でした。
この世界では、人間は絶滅しています。そして人間を滅ぼした魔族が人の地位に代わって生活を続けているのです。この時点で驚きはあるのですが、それ以上に「魔物」である主人公達が「教会」の戦士としての任に就いていることが更に驚きでした。教会という組織が魔物に完全にとって代わられているの自体に皮肉を感じますが、まぁそんなことはどうでもいいですね(言い方ぁ!)
作品設定やキャラクターの内情、伏線の張り方に戦闘描写やストーリーラインの構築などなど、全てにおいて素晴らしい作品でした。キャラの多さに戸惑うのは最初だけで、そんなのは読み進めていれば、各々のキャラクター性がきちんと立っているお陰ですぐに慣れます。
そして他の方も仰っている通り、注目すべきは戦闘描写の凄まじさでしょう。情報量過多にならず、しかし説明不足にならず。マンネリ化しないように内容に変化をつけながら、頭脳戦もきちんと繰り広げる。なるほど、これほどの高評価を受けるわけです。まさに「異世界ファンタジー」と言うべき代物であり、この作品が傑作であるということに一点の疑いもありません。上澄みだけ掬う程度ではここまで書けないと思います。異世界ファンタジーというものに几帳面に向き合って、悩んで、地道に作り上げていったのだろうと強く感じました。

作者の愛、そして物書きとしての実力の凄まじさに裏付けられた、確かな作品です。是非ともご覧下さい!

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