夢、希望、痛み、恋……青春のすべてがつまった即興劇エンタメ小説

最近、テレビや動画などで即興劇が話題になっているのを見かける機会が増えた気がします。
こちらは、まさに旬の即興劇をテーマにした青春物語です。

特筆すべきは、この物語が二重の構造になりながら、少しも一体感を失わず、むしろ上手にリンクさせながら骨太な物語を作り上げていること。
舞台上での即興劇。そして、舞台を降りたところで繰り広げられる現実の物語――。この二つの場面を同時進行で描き分けながら、しかも乖離することなく、しっかりと編み上げているところに、作者様の確かな力量を感じました。

また、内容も素晴らしいです。
思春期特有の痛みもありながら、心の傷を仲間と分かち合い、共に乗り越えるうちに新たな友情や恋が芽生えていく。そうした青春がみずみずしく描かれています。
私も読ませていただきながら、主人公たちの夢や恋を応援せずにはいられませんでした。

皆様も、即興劇の果てにどんな結末が待っているのか、見届けてみてはいかがでしょうか。

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