この物語は拡張されたエチュードだ

演劇の稽古に「エチュード」というものがあります。
この語はフランス語で、英語の「スタディー」に相当するのですが
演劇では、表現力の稽古として重要視されている方法で、つまり「即興」のことです。

映画やTVドラマとは違って、演劇は、観客の前でおこなう〈生モノ〉、舞台の上では常に何が起こるかわかりません。だから、稽古でエチュードを行うのです。
そして、実際の本番において、部分的に役者が「エチュード」で遊ぶ芝居もあります。

さて、この物語は、まさに「エチュード」そのもの、しかも、部分的ではなく、全てが「エチュード」なのです。

だから、どんな風に展開するのか、作中人物たちにも読めない。
つまり、それを観ている(読んでいる)我々にもわからない。

そんな、物語を読みたいあなた、この「エチュード」的物語はいかがでしょう。

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