恐怖ありバトルあり考察あり。そして吹き出すようなギャグもある。

北部九州に拠点を置く退治屋組織【黄昏堂】福岡支部。
そこに所属する八蝶と仲間達が、事件に挑む。

というのが本作の概要ですが、凄いのは妖怪や怪異に対する考察と情報量です。
その妖怪がそもそもどうして出来上がったのか。元となった存在、辿った歴史、どうしてそんなことになったかという解釈まで、実に事細かに書かれている。単なる妖怪退治には止まらない、民族学に対して興味を持つきっかけにもなりそうです。
さらに妖怪のことだけでなく、それを通じて、自分たちも無関係ではいられない問題にまで深く切り込んできます。
いったいどれだけ調べ、考えられたのか、作者様の知識と情熱が伺えます。

だけどそれだけ情報量が多いと、堅苦しくなりそうと思う方もいるかもしれません。
しかし心配御無用。本作は、バトルアクション・ギャグホラー。この中にあるギャグの部分が所々で発揮され、重い展開になりそうな時、フッと笑えて心を軽くしてくれます。登場人物もそれに合わせてか、重い過去や背景を抱えていたとしても、笑わせる時はしっかり笑わせる。

特に主人公の八蝶は、知識が豊富な解説考察役でありながら、バトルシーンではしっかりと頑張り、ギャグでも筆頭に立つという、本作の特徴を全て担うことができる、大活躍なキャラとなっています。

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