あの頃は確かにたくさんの幸せがあった

大晦日に客が集まる家。
八百万の神と同じものを食べ、縁を結ぶ。そんな迷信だけどどこか信憑性のある背景。今は病棟で苦しいときを過ごしている主人公。あのときの記憶は忘れらない彼の矜持。いつの日か、また同じような幸福感に包まれたいと思ってはいるが、帰らぬ人となった縁者もいる。だから食べるのだ。
食べている間だけは、想いを縁者と共有できる。そんな気がするから。

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