第7話



 シャーシャンは初めて、この村の小等校に行くことになった。一番上のお姉さんは小等六年生、二番目のお姉さんは三年生、シャーシャンは一年生になったばかり。二人の姉が小等校に行っている間はお母さんとの楽しい日々を過ごして来たので、通学に少し臆していたが、小等生の制服を試着してからは、早く通学したくてたまらなくなっていた。


 入校式の朝、シャーシャンは新しい制服を着せられ目を輝かせていたが、実際に共同生活を始めると、シャーシャンにとっては色々な試練が待っていた。泣き虫シャーシャンは、遊びの仲間に入れてもらえない事もよくあり、いじめに遭うことも度々であった。ある日、休み時間に運動場でシャーシャンをいじめていた上級生達がいた。シャーシャンは、相変わらず大きな目に涙を溜めて佇んでいた。それを見つけた二番目の姉が、上級生三人に回し蹴りを連続で入れた。勝敗はあっという間だった。二番目の姉は村で一つだけの道場に通っていて、小等生程度の男子であれば向かう所敵なしである。シャーシャンは呆気に取られてその様子を見ていたが、いずれ二番目の姉に弟子入りすることとなる。


 家に帰ると一番上の姉が先に帰っていたなら、泥で汚れた顔に涙の跡をつけて帰って来たシャーシャンの顔をお湯で搾った暖かいタオルで拭いてくれる。タオルが顔から離れた時は、シャーシャンは目を輝かせて笑顔に戻っている。

 ただその後は、姉について勉強しなければならない。


 シャーシャンは二番目のお姉さんに格闘技を習い、一番上のお姉さんからは勉強を教えてもらいながら、中等校へと進んでいく。

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