第3話

 お父さんが駐在さんに連絡を済ますと、みんなで食事をすることになった。シャーシャンは、そのお料理の豪華さに涙を零さんばかりに大きな目を開いて輝かせている。


 賑やかなお食事が終わると、シャーシャンはお父さんとお風呂に入ることになった。お父さんはシャーシャンの身体を石鹸の泡をいっぱい使って洗ってあげた。小さなシャーシャンは泡だらけになり、泡の中から涙で潤ませた瞳だけを覗かせている。


 お風呂から上がるとシャーシャンは、少女たちが使っていた比較的地味なお古のTシャツと、お父さんのデカパンを穿かされた。少女たちは、その姿を見て大笑いしたが、シャーシャンも一緒になって大笑いした。それに釣られて、とうとうお母さんも堪えきれなくなり、大笑いの仲間入りをした。


 少女達はシャーシャンにお休みの挨拶をして、自分の部屋に戻っていった。お母さんはシャーシャンを一人にしておけなく思い、シャーシャンは、今夜はお母さんの隣で眠ることになった。


 シャーシャンが眠ってしまったかどうか確かめるのに、お母さんは小さな電球を灯してシャーシャンの顔を覗いてみた。するとお母さんは、お父さんの書斎へ行って、お父さんをお母さんの寝室に連れて行った。


「私、こんな幸せそうな笑顔で寝ている子、自分の娘でも見た事がないくらいだわ」

とお父さんに言った。

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