第4話



 翌日、シャーシャンと少女二人が笑顔で公園に向かって行った頃、駐在さんが孤児院の男の人を連れてやって来た。孤児院の男の人はお母さんに今までの経緯を話した。シャーシャンは此の村の隣の村の木の下に捨てられていたこと、施設ではずっといじめられっ子だった事など。そして、昨日の朝、隣の村の施設から突然出て行った事。


 お母さんは、男の人が一通り話終わるとしばらく黙って俯いていたが、静かに顔を上げると男の人に言った。

「暫くシャーシャンを預からせていただけませんでしょうか? ほんの二、三日で構わないのですけれど」

すると、施設の男の人が言った。

「施設には、事情があって両親、もしくは片親と離れて暮らしている子供達が殆どですが、シャーシャンは捨てられていたので面会に来てくれる人もいませんでした。奥様の旦那先生も信用できる人だと伺っております。どうか宜しくお願いします」


 シャーシャンは二、三日だけと言うことで、初めて家族という生活をすることになった。

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