お前と一緒なら俺は俺を生きられる

スパロボからイメージするとおりの豪快なバトル! 魂を震わせる熱いハートや言葉! ――それだけじゃありません。友情や心の成長に丁寧に目を向け、細やかな部分もそっと掬い上げる。そんな繊細さも併せ持った小説が、このRADIUSです。
素直じゃないけど優しくて、色々なことについて考えては時に迷い、苦しむケイ。まるで子どもみたいに真っ直ぐで明るくて無邪気で、そして楽観的なアキラ。性格だけでなく、体格も対照的な彼らはまさしく凸凹バディ。でも彼らの凸凹は単なる差異ではなく、一緒にいるとお互いの凸と凹とがピッタリはまって、美しいひとつの形になる、そういうものでもあります。それは、2人が凸と凹以外の部分で同じ形をしている、似た者同士であるからなのでしょう。
もちろん彼らは1人でいても十分魅力的です。その上で、2人が一緒にいると、また新たな魅力が輝くのです。ケイとアキラという名前からも、2人は対なのだということを感じさせられます。
その2人と同じくらい魅力的なのが地球外生命体フォルトゥナ。3つの魂は一体となってお互いを高めていきます。
力を振るい、望むものを掴みとるための身体という器と、その中で未来に向かって色とりどりに形を変える精神。反対なようで互いに影響し合っている、切っても切れない密接したもの。そういった関係がRADIUSには描かれていると思います。

RADIUSを読んでいると、命は力強く鮮やかで、美しいものなのだと感じさせられます。素敵な各話タイトル、近況ノートで公開されているイラストにもご注目です!

※「71 名前」までを読んでのレビューです。

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