孤児院育ちの少年、ケイが連れてこられた先は謎の地下研究所だった。そこで出会った少年、アキラと研究に協力しながらの生活が始まる。同い年なのに体格でかなり負けているケイはアキラに勝つことに執念を燃やす……まさかこの気持ちが序盤だけでなく最後まで関わってくるとは。
謎の地球外生命体フォルトゥナとの邂逅、巨大ロボットに乗って宇宙からの襲来者と戦いながら、ケイとアキラは絆を深めていく。
あんまり書くとネタバレになっちゃうので省きますが『近未来ロボットバトル』『ブロマンス』がお好きな方におすすめ。友情という括りに収まりきらないナニカがあります。
スパロボからイメージするとおりの豪快なバトル! 魂を震わせる熱いハートや言葉! ――それだけじゃありません。友情や心の成長に丁寧に目を向け、細やかな部分もそっと掬い上げる。そんな繊細さも併せ持った小説が、このRADIUSです。
素直じゃないけど優しくて、色々なことについて考えては時に迷い、苦しむケイ。まるで子どもみたいに真っ直ぐで明るくて無邪気で、そして楽観的なアキラ。性格だけでなく、体格も対照的な彼らはまさしく凸凹バディ。でも彼らの凸凹は単なる差異ではなく、一緒にいるとお互いの凸と凹とがピッタリはまって、美しいひとつの形になる、そういうものでもあります。それは、2人が凸と凹以外の部分で同じ形をしている、似た者同士であるからなのでしょう。
もちろん彼らは1人でいても十分魅力的です。その上で、2人が一緒にいると、また新たな魅力が輝くのです。ケイとアキラという名前からも、2人は対なのだということを感じさせられます。
その2人と同じくらい魅力的なのが地球外生命体フォルトゥナ。3つの魂は一体となってお互いを高めていきます。
力を振るい、望むものを掴みとるための身体という器と、その中で未来に向かって色とりどりに形を変える精神。反対なようで互いに影響し合っている、切っても切れない密接したもの。そういった関係がRADIUSには描かれていると思います。
RADIUSを読んでいると、命は力強く鮮やかで、美しいものなのだと感じさせられます。素敵な各話タイトル、近況ノートで公開されているイラストにもご注目です!
※「71 名前」までを読んでのレビューです。
この作品、ロボットものでして「バトル」がアツイ作品で間違いがないし、描写もすごくいいんですが、そこのシーンが始まるのって20話近くまでいかないといけないんですよ。ほんと「こういう名作」が読まれないのって、こういう傾向多いんですよ。ほんと「3話」とか「10話」でブラバせずに読んで欲しい作品です。
じゃあ、最初の20話までが退屈か?というと、そうでもなくて、「人間模様」とか「人間ドラマ」とかそんな感じの話がたっぷり詰まっていて、「本格的なSF」によくある「パイロット」の葛藤みたいなものが「ちゃんと」あるんですよ。「人間性の違い」を如実に表した「対比」のシーンとか、読み応えはあるんですよ。でも、こういうの「嫌い」な人が多いのも事実なんですよね。
そういう人って「30話」くらいまでこの作品読むと、一気にファンになる癖にと本当に思います。これ「ロボット」ものとして名作ですので、「30話」までは最低でも読んで欲しいです。評価するのはそれからにして欲しいです。
理屈っぽい子と筋肉バカの凸凹コンビが主役のお話です。
ロボット物ですが、ロボットが出てきたり、そもそも物語の全容が見えるまではかなりかかり、じっくり時間をかけて男子二人の関係性を積み立てているという印象です。
きっとそっちが一番書きたい要素であり、作品のウリなのでしょう。
そこらへん分かってないと「なかなか本筋が見えてこないな?」ってなるかもです。
違うんだよその男子二人のわちゃわちゃが本筋なんだよ。ですよね?
いよいよタイトルにあるラディウスやフォルトゥナのことも分かってきて、物語はおもしろさを増しています。
これからの展開も期待しています。
少年二人の友情と、ロボット!ハッキリ言って、すごく面白いです!
謎の知的生命体。長年その研究を続けてきた科学者。
その息子・アキラと、孤児院で育った少年・ケイ。
二人は出逢ってすぐ、荒唐無稽な実験に巻き込まれると同時に、少年らしい純真さでどんどん友情を育んでいきます。
天真爛漫な脳筋・アキラと、華奢だけど負けず嫌いなケイ。二人の微笑ましいやりとりは軽妙でいつも楽しいです。
二人は研究の主軸・謎の生命体「フォルトナ」と不思議な縁で心身ともに結合し、まさにチームのような、否、チーム以上の結束力で一体の巨大なロボット「ラディウス」を動かせるようになります。
戦闘シーンも迫力ありますし、特にケイにとって大変な事態がどんどん起こっていくのですが、絶望的な空気に浸る間もなく、テンポよく進んでいく様はむしろスカッとするほど。
これからどんな運命が二人を待ち受けるのか、どんな風に気になるプロローグシーンへと繋がっていくのか、とても楽しみです♬