ワクワクさせていただきました +追伸

 主バディ二人の関係はもちろんのこと、なじりさんとアキラくん、アキラくんとお父さん、フォルトゥナとケイくんなど、キャラクターの関係性が素敵でした。彼らの本音と建前。やっぱりそのどれも本音かもしれない……。その本音も変容したりしなかったり……。
 綺麗な顔をしていながら、口が悪く初見で思ってたよりは冷静じゃなかったケイくん(好き)。元気溌剌天真爛漫、懐く姿は犬のようながら、その奥では「アレ……?(多義)」と思わせてくれたアキラくん(好き)。芯が強く、自分の意志を持ち、しかし少年らしい危うさもあって、どちらも大変魅力的なキャラクターでした!
 お互いの影響を受けて、少年たちが少しずつ成長していく様に、ニコニコしてしまいました。健やか。辛いことには笑顔で立ち向かう二人……。バディの笑顔が好きな方には、ぜひとも読んでいただきたいところ……!
 そして友情より深い……なんと申し上げればよいのか的確な言葉は分かりませんが、愛情にも近い……何かもっと相応しいもの……その感情にもニコニコしてしまいますね。いつかケラケラ笑いながら一緒に暮らしてね……。
 必要な箇所ではスムーズに、大変分かりやすく説明していただける上に、彼らの今の関係性を感じられるほんわか会話劇も入り、理解しながら読みやすかったです。アクションはしっかり描写があって爽やかですし、久しぶりになんだかワクワクさせてもらいました。これからどうなるのか、二人が自由を手にする日はくるのか。とても楽しみにしております!!


 ……というのが、初めて読んだ頃に感じていたことでした。(ここから完結後の感想!)
 以下、ほとんどネタバレばかりの文章になっております。

 私は、すっと心に風を通してくれる作品だと感じました。大変心地よく爽やかな作品です。
 まずはじめに、やはり、このお話は、たった二人だけの話ではないところが好きです。フォルトゥナとの関係や、家族、友だち、そして世界との優しい繋がりを感じられる作品です。心をふわっと包まれているような優しい心地がします。それは、アキラくんの功績が大きいように感じます。
 アキラくんは見た目や、少しの関わりで受け取る性格で感じられるほど「きれいな」性格ではなく、しっかり悩みや苦しみがあり、ヤな人やものを自分で突っぱねちゃうところもあり、けれど、それをそのままの形で抱えられる強さがあります(すごい!)。彼が重たいものを抱えて尚、綺麗でまっすぐいてくれるところに、ケイくんや家族はもちろんのこと、私も、彼に優しく包まれているような気持ちになりました。人の話も気持ちも言葉も、決して曲げて受け取らず、そのまま、まっすぐに受け入れようとする素晴らしい人です。私が感じていた心を優しい風に撫でられるような気持ちは、多分主にアキラくんのおかげだと思います。
 アキラくんをそんなふうにいさせてくれているのがきっとケイくんの存在で、ケイくんはとにかくドシッとしてる印象。うまくいかないと焦ってしまう若さもありつつ、でも、アキラくんの言葉を聞いて、いつも隣で自信ありげに笑ってくれる人です。ケイくんの肯定には、何でもできる気がする! と思わせてくれる力強さがあります。しかしそう思うと、初めの頃のケイくんにはそこまでの強さはなかったのかも……。驚きの成長率です(すごい!)。やはり好き。
 そして成長といえばフォルトゥナ! 彼(と表記して良いものか……)の成長もまた素晴らしいもので、自分という存在、世界との関係について己で考える力を持ち、なんかこう……生き物らしい感じに!! よく分からない存在だったものが、世界と対話するようになり、生き方を見つけてしまった……(すごい!)。この先彼が悩んだり落ち込んだりするのかもしれない……(しないかもしれない……)。けれど、彼にはケイくんとアキラくん、そして深山透がいるから大丈夫! 彼には彼の生き方で、所謂"幸せ"になってほしいです……。
 三人(人?)で共に高め合い、周囲の人間や世界との関わり方を学びながら、成長して「自分」を手にする。きっとそれが、求めていた「自由を手にすること」なのだと思いました。完結おめでとうございます。これからの彼らに幸多からんことを! 彼らと共に成長できて幸せです。

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