ふたりじゃなければ、ふたりでなければ

 承認欲求の塊で癇癪持ちのパニック障害気味クソガキ24歳と、それよりは少しほんの少し社会性が高いといった自意識から優位性を見出し縋り付くヒモ男の共生関係オーィエ!共生関係アァハン?(止せ、文脈が歪む!)

(咳払い)たっちゃんとイツキがそれぞれ内包する痛みは別方向にある。イツキの夢見ながらも届かない名声とそうでなければ自意識を保てないたっちゃんは本来潰し合う存在で実際潰しあっている。寄生と寄生が複雑に絡み合い、さも人間愛かのようなていを為し、やってみせるのは無邪気な「アイスを食べにいこう」なのであって、この見て見ぬふりの行き着く先をたっちゃん側が少しほんの少しだけ見えてしまってるのでキツい。どちらかの消失をもってでしか(一般的に考えられる)進歩或いは終焉もないわけだが、この蟻地獄にただ黙って飲み込まれるようやちっぽけな蟻の生が途上で見つめる高い空もまた「アイスを食べに行こう」なのでそれは残酷か節介か人生という奴はどうかお幸せにと綺麗な箱庭にそっと二人をしまい込む。