概要
眠れない秋の夜長にどうですか?
川の主が死んだの続編!?
八百万の神々が集まる出雲の地へ、ヒトに化けた川風の鬼神と共に少女は旅立つ──
八百万の神々が集まる出雲の地へ、ヒトに化けた川風の鬼神と共に少女は旅立つ──
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!出雲大社までの道のりが描かれたロードムービー
前日譚にあたる短編で川の主となった少女。
彼女がなぜ神となったか、このお話の中で明かされます。
そんな彼女・節と付き添いの神・漣が、出雲大社に神としての名前をいただきにいく道のりが描かれています。
漣や途中で一緒になる河童など、神様が他にも出てきますが、それぞれの抱えている事情がちょっぴり切ない。
病で月を眺めることさえできなかった節が、動物園に行ったり、ラストに月を眺めたりするシーンでは思わずホロリと来ました。
昭和初期の列車での旅路も、描写にムードがあってとても良かったです!
漣と宇治朔姫に何があったかもちょっと気になりますね! - ★★★ Excellent!!!旅を経て、少しだけ大人へ
短編小説『川の主が死んだ』の続編となる作品です。
新たに川の主となった元人間の魂『節』が、出雲大社へと赴き、神としての名前を賜るまでが綴られます。
生前は世間を知ることのできなかった節が、死後に神となったことから一般社会の常識や知識を吸収していく姿は「良かったね」という思いを抱くと同時に、どこか寂しさもありました。まさに詫び寂びですね。
少し遠出な旅の中で、戦後日本の雰囲気を味わいつつ、目新しいものへ興味を示したり、無邪気に喜ぶ節の姿が微笑ましかったです。しかし終盤では『嫉妬』の感情が芽生え、少女が大人へと変貌する様子が、人から神へと変わる展開とも重なり、物語として実に巧みな構成だと思いまし…続きを読む