「誰か」の目を通して見る世界

ボク、ワタシ、俺、あるいは。
読者はこの世界を見ている「誰か」の目を通して、この歴史を見ているのかもしれない。
どこか俯瞰的に見える世界の中を覗き込むというのは秀逸で、その歴史を垣間見ているようにも思えるのである。
どこか日本のような、あるいはモンゴルのような。
武具のこと、そこに在る人のこと、その営み。それが確かな知識と筆力によって描かれているからこそ、記録を除くような心持ちにされるのかもしれない。

これはただの異世界ファンタジーにあらず。異世界の歴史書か、記録映像か、そんな気持ちになるのです。
ぜひご一読ください。