臨床心理士のお仕事&ミステリー、ホラー風味を添えて

臨床心理士の麻子が少年のカウンセリングを進めていく中で、色々なことが起き始めて……という導入の現代ドラマです。

特筆すべきは臨床心理士の仕事の様子が非常にリアルで詳細に描かれており、その点とても興味深く読ませていただきました。

ところどころ背筋が寒くなるような描写もありつつ、麻子の人間関係、実際のカウンセリングとこれらの要素が絡み合いドラマが展開し、心理に関わる仕事に対する偏見への問題意識だったりと社会派な要素もありつつ、ストーリーが進んでいきます。

トラウマを扱っていることもあり若干重苦しい雰囲気が続き、けして敵を倒してハッピーエンドという類のお話ではありませんが、自身の仕事に誇りを持って役割を全うしようとする麻子の姿は心に響くものがありました。


その他のおすすめレビュー

矢賀地 進さんの他のおすすめレビュー54