第5話 死闘と決着
戦闘の中で、勇者キョウマは
__ステータスは圧倒的に有利なはずなのに。
しかし、魔王カインの方とて、息を切らして何とか持ちこたえているような危うい状況だった。
このままでは決着も時間の問題だろう。さてどうする……。
そうカインが思案しているときだった。
「__
辺り一帯に
カインは振り向き、この魔法の
「エールか!」
そこには複数の
勇者キョウマは光を
「あれ?確か神様は世界に直接
「確かに神界ではそういう決まりになってましたよ!でも何せ、その神界が制圧されちゃいましたからね!」
なるほど。と勇者は
「__じゃあ、ごめんなさい」
一瞬だった。近付かれるまで何も見えなかった。エールは時が止まったかのような
そこまで分かっているなら、後はその
__横から
エールの時の流れは正常に戻り、吹き飛ばされた勇者キョウマは百メートル程の長い砂ぼこりを立てて失速した。
「あ……カインさん……!」
「無事か、エール」
「こここ、怖かったぁ……」
「しっかりしろ、
そう言って、カインが笑みを
「もうそろそろだ。
「え?」
エールは遠くに
そして、その変化に最も
「な、何だよこれ?何で俺、
「__簡単な話だ」
見上げると、そこには魔王と女神がいた。
いつの間に……いや、
「自分のステータスを見てみろ」
その提案はキョウマにとって、身の毛もよだつ
どうして一々、そんな提案をするんだ?俺のステータスは最強なんだ。
__自分がただのザコに戻っただなんて、認めたくない。
しかしこんな状況においても、
キョウマは心臓の底から
HP:62、MP:14、攻撃力:27__ああ、もう十分だ……。
キョウマは糸の切れたマリオネットのように、その場にうなだれた。その姿はまるで、ただいたずらに『そのとき』を待つ、許されざる囚人のようだった。
「エール。死んだ異世界転生者はどうなる?」
「……戻れる身体があれば、そこへ戻ります」
「戻れる身体が無ければ?」
エールは何も答えない。
魔王はただ一言「そうか」と
「……勇者キョウマ。お前はやり過ぎたんだよ。残念だが、ここで死ね」
キョウマは
大剣が振り下ろされる。勇者キョウマの肩から斜めに、一閃が走る。
不思議なことに彼の身体から血のような
__現実世界では、トラックに
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