第7話 独白と前進
カインは魔王城内の
「……本当に、生存者はいないんですね」
ベッドに
__魔王城の中は
「ああ、そうらしい。手塩にかけて育て上げた配下だったんだがな……」
魔王カインは、もう戻らないかつての同胞達を想った。
エールは
「あんな……あんなやり方って、無いですよね……。パステリトゥムの魔王軍は、思想的にはほとんどが人間と同じでした。殺す必要なんて無かったのに……」
……俺達のことをそんな風に思っていたのか。どうりで三百年もスローライフが続けられた訳だ。
矛盾する想いがカインの中を
カインは再びベッドまで歩み、エールとは反対側の部分に
「エール。お前さんさえ良ければ、話して欲しい。……どうして勇者共は裏切ってしまったんだ?」
「カインさん……でも……」
「……話してみろ」
__しばらくして女神エールは、か細い声で独白を始めた。
「……私達は今まで、数多くの異世界勇者を
エールは深い瑠璃色の
「あの千里眼の能力者__『勇者レイジ』だけは、そうではありませんでした。彼は自分のスキルを駆使して他の勇者と接触し、徐々に自分の賛同者を増やしていったんです」
……予感はしていたが、やはりそいつが主犯らしい。勇者レイジ。なるほど、勇者レイジか。
「……こんな事、言い訳にすらならないとは思いますけど……私、あの人に千里眼のスキルを
魔王はそこでふと湧き上がった疑問を、口を
「お前さんは、それを防げなかったのか?」
当然とも言える疑問だった。
「……異世界勇者に、要求通りの能力を与えるかどうかは、私の決めることではありませんでした。面談役の私がどれだけ反対を主張しても、最終的に
ああ、なるほど。こういう話は現実の人間社会にも通じるものがある。……異世界の神というのも、
「ねえ、カインさん。もしも……もしも私がもっと強く反対していたら……この結果は変わっていたのでしょうか……」
エールは力無く拳を
「……無意味だな。そんな事を考える
「あ、あはは、
皮肉めいたカインの口調に、エールは苦々しく笑った。
「これでも
それを聞いて、エールは少し顔をもたげた。そこで一度、会話は途切れたが__不意に、先程までより一段と優しい声音で彼女が口を開く。
「ありがとう、カインさん」
「……?何に対してだ」
「それは……話を聞いてくれたことにです」
「話をさせたのは俺だぞ?……良く分からんが、気が済んだのなら今の内に休んでおけ。明日は早いからな」
「はいっ」
カインは部屋を後にした。
__次の日。
朝の日差しと
「カインさーんっ!おーきて下さーいっ!あーさでーすよーっ!」
「……おい、うるさいぞ。もう起きてるから静かにしろ」
すると、壊れんばかりの勢いで
「やっぱり起きてない!
「おぉい、勝手に入るなよ……」
「カインさん、早く起きましょ!今日はきっと良い事ありますよ!」
「適当なことを……」
「ふふっ、適当なんかじゃありません!」
エールが胸を張り、断言する。
「__
そして彼女は
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