第二章 暗殺者
第8話 希望の炎とネクロ少女
__
カインと共に、
「平気だったか?」
エールはカインを見上げた。そして
「それはこっちの
それを聞いたカインは、小さく顔を
カインは墓石に見立てた大きな岩に向かって手を合わせ、頭を下げる。
エールもそれに
「……さて、そろそろ戻るか」
「そうですね」
二人はどちらからともなく、魔王城へと
「……ねぇ、カインさん。次の勇者はどうして現れないのでしょうか?いつ
「
カインは、少し
「……『見られている』。これだけでも充分な精神攻撃になり得る。例え次の勇者が現れなかったとしても、俺達はこの先、一切の気を
エールは「なるほど」と
カインは
エールもそれに続こうとした。
__その時、目の前を青緑がかった炎が横切る。
「へ?」
エールが何事かときょろきょろ見回すと、その炎はすぐに見つけられた。__
「ぴゃあああぁぁっ!!」
エールは
カインは
「おい、落ち着け。何も問題はない」
「問題ありありじゃないですかぁ!きっと次の勇者が私たちを殺しに来たんです!私の
「だったら今回の
「……え?」
エールがカインの背中
カインはビビり散らかしているエールを抱き付かせたまま引きずり、その少女に声を
「ステラ!」
そう呼ばれた少女はぴょこんと
その無数の枝毛を
服は、かろうじて
ただし
全体としてその
そんなステラは眠そうな目でぽてぽてと
「おかえりあるじー」
「生きていたのか。お前さんの死体が無かったからよもやとは思ったが……」
「生きてないよ、死んでるよ。
「……ああ、そう言えばそうだったな」
ステラは
「お前さんは『死んでいる時間』の方が長いから、
「いつも死んでるよ」
「ん?ああ、まあそうだな」
カインは生き残っていた唯一の配下を
エールは
「お知り合いなんですか?」
「ああ。こいつはステラ、
「おねーさんこんにちはー」
「あ、こ、こんにちは……」
目の前の少女が害のない者だと知ると、エールは
「ねぇステラちゃん、この綺麗な炎はステラちゃんがやってるの?」
ステラは「んー……」と、どっち付かずな返事をして、
「起きたら魔王城のみんながふわふわしててね、迷子になってたからここに連れてきたんだー」
……あれ?今、何気にとんでもないこと言ってなかった?
「じゃあ今浮かんでるこの火の玉って……」
「うん、魔王城のみんなだよ」
エールは思わずカインと目を合わせる。カインは一足早く察しているようだった。
__魔王城の
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