第3話 手っ取り早く

 きっとこの美少女のジルがサプライズ・プレゼントなのだろう。



 しかし、こんな大掛かりなサプライズ・プレゼントだと幾ら予算が必要なのか、心配になってくる。



『フッフフ、ジョーダンなんて知らないわ!

 私は、ただ魔界からの伝言を託されただけだから!!』

 ジルは、自信満々に豊かな胸を張ってみせた。

 目を見張るほど圧倒的な巨乳だ。



「えェ、魔界から……🙄💦」マジかよ。

 いつまでこの茶番に付き合っていなくてはならないのだろうか。



『大事な伝言なので、もう一度、お報せしてあげてよ!!』

 小悪魔みたいに微笑んだ。


「うゥ……😳💦 もう一度お報せ?!」




『トロロー!! 今から100日後に死ぬことが決定したわ!!

 宜しくゥ……✨😜✨✨💕』

 思いっきりボクに顔を近づけてきた。

 キスする寸前だ。

 あとほんのわずかで唇が触れそうなくらい接近してきた。



「うゥ……😳💦」

 思わず、ボクはサッとってしまった。

 どうせならキスした方が良かったのかもしれないけど。



『フッフフ……✨😏✨✨』

 目の前で小悪魔は残念そうに苦笑いを浮かべた。


 それにしても何度、聞いても軽いノリだ。

 まるで深夜の通販番組のように明るく【死の宣告】を伝えられた。



「あ!! あと100日……」

 そう言えば、さっきからだいぶ時間が経った。腕時計を確かめると、すでに十二時を回っていた。



『ハッピーバースデー✨🎉🎊✨✨💕 

 これで、あと100日の命ねえェ……✨💕

 おめでとう✨🤗✨💕 トロローーッ』

 抱きついて、ギュッとハグをされた。

 柔らかなオッパイがボクの胸板へ押し付けられた。



「うゥ……😳💦 そ、そんなァ……。

 ぜんぜんおめでたくないですよ!!」

 彼女からハグをされたのは嬉しいが。



『どうしてよ。童貞だし、生きてても意味ないじゃン……✨🤭✨✨』

 恐ろしいコトを笑顔で言ってのけた。

 確かに悪魔のような性格だが。



「意味ないッてェ……。ほっといてくださいよ!!」

 まだ二十歳なのだ。この若さで死にたくはない。



『ッで、どんな死に方が、ご希望なの?!』



「えェ……、死に方がリクエスト出来るんですか」



『特別にねえェ……。ほら、ジル様は、童貞ボーイに優しくて慈悲深い死神だから!!』


「どんな死神ですかァ……😳💦」



『じゃァ……、手っ取り早く心臓麻痺で良いかしらねえェ……✨🤪✨✨💕』

 茶化すように笑って、何かのリストに書き込もうとしている。

 デ○ノート的なリストなのだろうか。



「嫌ですよ。手っ取り早くッて!! なにをそんなに、ぞんざいな扱いをしてるんですか!!」







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