第6話 街へ ①
街へ行く途中 人とすれ違ったけど、やはり髪の色はブラウンの人が多いようだ。
「フードを被っていて正解ね。この髪色では、目立つわ。」
30分ほど歩くと街が見えて来た。余り大きい街ではないみたいだが、ヨーロッパ調の建物みたいな感じの街並みだ。 街の中は活気があって、人々はイキイキしている。 人々が楽しそうに会話しているのが聞こえてきた。
「この世界の言語は、自動的に理解できるみたいね。言葉に困らなくて、助かる。 あっ! あれは、八百屋さんかしら?」
「寄って見て行きな! 品揃えも良いし、新鮮な野菜がたくさんあるよ! お嬢ちゃん、どうだい?」
見たことのない野菜が並んでいる。 けど、これは白菜に近いのかな? 後、あの赤い物は、トマトかな?
「じゃあ、おじさん、これとあの赤い物とそこの緑の野菜を頂戴! おじさん、そこにあるオレンジ色の果物って、どんな味?」
「これか! これは、、、うまいんだが、何て言ったら良いのか、、、まあ、味見させてあげるから食べてみな!」
ルナはおじさんからオレンジ色の果物を受け取り、食べてみた。
う〜ん、確かに美味しい。 オレンジの味ではない、、、強いて言えば、トマトのような味だ。 そうなると、この赤い物はなんだろうか、、、
「おじさん、このオレンジ色の物も3個、他の物と一緒に頂戴!」
「はいよ! お嬢ちゃん、持てるかい?」
「うん、大丈夫だよ。 ありがとう!」
人の目に触れないように建物の影に隠れて、収納バッグの中に野菜を入れる。 次は、どこのお店に行こうかと考えていたら、、、 “グゥー” っとお腹が鳴った。 私の腹時計は、正確だ。
丁度、街の鐘が鳴った。 多分、お昼の鐘なのだろう。
「何か買って、あそこの噴水の所で食べよう。」
辺りを見渡すと露店が出ていて、美味しそうな匂いが漂って来ている。 この匂いは、あの店から漂っている。
ルナは店に行き、中を見て飛び跳ねた。肉の串焼きだ! 大好物だ! 何の肉かは分からないけど、美味しそうだ! ヨダレが出そうになるのを我慢しながら尋ねた。
「お兄さん、これは何の肉なの?」
「ああ、これかい? これは、オークって言う魔物の肉だよ。 まあ、美味しいから食べてみな。」
「じゃあ、1本頂戴な。」
「毎度あり。」
ルナは串焼きの近くの露店でパンと果実水を買って、噴水の所のベンチに腰掛けた。急いで、串焼きにかぶりつく。
「おいひい〜 」
オークって魔物は、とても美味しい。パンは、、、硬い。果実水は美味しいけど、ぬるい。
「きっと氷は貴重なのね。」
ルナは子供たちが噴水の周りで遊んでいるのを眺めながら食べていると、近くに大きな銅像が目に留まった。 銅像は若く中々の容姿で、マントを靡かせている『誰だろう?この世界の有名な人かな?』 その銅像の前に剣が刺さっている。 それを子供達や男の人達が、引っこ抜こうとしている。
『あんな所に刺さっているし抜けないと思うけど、物珍しいから私も引っ張ってみたい。 だけど、人前で引っ張るのは恥ずかしいし、注目の的よね。 流石に女の人は、いないものね。 何故だか引っ張らないといけない気がするのは、気のせいかな? また夜にでも来てみよう。』
とか思っていたら、視線を感じる。視線を感じる方に向いてみたら、剣と目が合った?
『いやいや、気のせいよね。』 急いで、その場を離れた。
『み・つ・け・た』 誰かが呟いた。
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