第8話 森へ

チチチッ… チチチッ…


鳥の声で、目が覚めた。 伸びをしながら


「うーん、よく寝た! 今って何時かしら、時計があると良いのだけれど。」


ベッドから出て、収納バッグに時計を思い浮かべながら手を入れた。 手に触った物を取り出すと、時計だった。 後、ジャージが欲しい、、、


「本当に凄いバッグよね。 今は朝の5時ね、トレーニングするのに丁度いい。 ジャージも出てきたし。」

トレーニングと言えばジャージ! ルナは準備をして、庭に出た。 


「さて、走り込みをしよう!」


軽く10km、、、と言いたいところだが、計る物がなく分からない。 それは追々考えていくとして、とりあえず走ろう。


 部屋に戻り、時間を確認。 6時、朝の準備を始める。


「今日は家から見える、あの森に行ってみよう。 昨日読んだ本の魔法を使ってみたいし!」


動きやすい格好に着替えバッグを持ち、ローブを羽織って出かける。 朝作ったサンドイッチも、お昼用にバッグの中に入れる。


 森の中は静かで、木々の間から木漏れ日が差している。 


「何だか、とても落ち着くわ。」


魔法があるから迷子になることもないし先も気になるから、どんどん奥へ歩いて行く。


「魔物とか、いるのかしら?」


ルナは、辺りをキョロキョロと見ながら歩いて行くと、茂みから『カサッ…』っと音がした。 ルナはビクッとして、音のした方を見た。 すると、額に宝石みたいな石をつけたウサギの魔物が飛び出してきて、そのまま何処かに行ってしまった。 よく見ると、木の上に鳥やリスのような魔物もいる。


「この世界では、魔物って言うんでしょうね。」


 歩き始めて1時間位ったった頃、水が湧き出ている綺麗な泉の場所に出た。 日に光に照らされて、キラキラ輝いてる。


「わぁ!綺麗な水、、、飲めるかな? そうだ、昨日読んだ本に『鑑定魔法』っていうものがあるって書いてたから、試してみよう!」


ルナは泉を覗き込み、『鑑定』と言ってみた。


…泉:飲料、疲労回復効果あり… と出た。 、、、『チャララン』


 また、音がした。 昨日といい今日といい、魔法を頭で思い浮かべて使ったら音がする。 これは、ステータスを確認した方がいいかもね。 でも今は、この泉の水が飲みたい、、、「飲もう!」 手に水をすくって『ゴクッ』…


「美味しい! 疲れも飛ぶわぁ〜 疲労回復ができるなんて、ここは貴重な場所なのね。」


泉のそばで座って、ステータスを確認した。


「ステータス オープン」


《?》だった所に地図が開ける《マッパー》《転移魔法》《鑑定魔法》が入っている。 あの『チャララン』って音は、使える魔法が増えた音だったのね。謎が解けた。 まだまだ《?》があるから増えそうね。




 


 

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