登場人物の関係の変化が好き

 『ファンタジー×地震』という他に類を見ない作品。生き残った者が、死者の命を背負って生きる。ある種のサバイバーズギルティを題材にしてるのだと思いました。
 面白いと感じたのは、数日という間にアムネシアにとってエリーが大きな存在になるまでの関係の変化です。
 特に、エリーの態度がある時を境に一転すること。そこからはアムネシアではなく、エリーがあらゆる行動の主導権をとっています。また、話し方(敬語がなくなっていたり)などからも、極限状態で2人の関係の変化が見て取れます。
 それらはエリーの過去と自身の“最期”を察していたからでしょう。だからこそ懸命にアムネシアに寄り添えた。そして終にはエリー自身の願いを叶えることができた。
 アムネシアもそれを分かったからこそ、「エリーの分まで!」となったんだと思います。
 私にとっては馴染みのない題材で、まだ評価の難しい作品ですが、それでも。
 関係の変化を中心に細かな描写が冴える良い作品だと思いました!

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