ファンタジーがその世界に有っても、直面するのは現実に起こり得る大災害だ

いきなり自分語りから入るのはあんまり好ましいことではないんですが、私は3.11の被災者なんですよ。でかい地震の影響をわりとそれなりに受けて、しばらくまともな生活は出来なかった経験があります。もっとも当作品の内容ほどではありませんでしたが。

この作品の注目すべきところは大きな災害にぶち当たって、そこからどう生き延びることが出来たのかというのが最大の見せ場でしょう。
私だって密接で何日も閉じ込められるようなことがあれば、例え同じ状況の人が周りにいたとしても発狂してしまうかと。何より作中のキャラクターと同じく、過去のトラウマを思い出してしまうからですねぇ。

話は戻って見せ場となる中盤の事件。この出来事自体がほぼ初めての者。過去の出来事を思い出して動けなくなる者。過去の経験を生かし冷静になれる者……それぞれがリアリティのある描写で描かれて大変見ごたえ有りけりです。ご興味が向いたのであれば是非とも一読をおすすめ致しますわ

その他のおすすめレビュー

角鹿冬斗さんの他のおすすめレビュー536