罪悪感の果てに

作者 ぷれぷれ

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★★★ Excellent!!!

 大切な人からもらった時計が出会って間もないけど大きな存在になった人に渡り、その時計が受け取った人の大切なものになる。
 とっても感慨深いと思いました。所有者が亡くなっても大切な人と自分を繋げてくれる存在になったのだと思うとシリアスなお話なのに温かい気持ちになりました。
 素敵なお話でした! これからも頑張って下さい!

★★★ Excellent!!!

筆者の読み合い企画【感想欲しい人あつまれ!】からきましたが、まさかこんな読書体験をすることになるとは。
一見すると怒涛の展開についていけず、一体何が起こっているのかわからないのですが、それがまさに災害に遭った登場人物達の気持ちを体感させてくれる作りになっているような気がします。
災害は本当にいつ突然遭うかわからない。そして、目まぐるしい状況変化になんとか適応しなければならない。
それを読書をする中で体感させていただきました。
サクッと、読めてしまうのに、ちょっと不思議な感覚を味わえる作品です。

★★★ Excellent!!!

何となく生きていると
何となく時間は流れて行くけど

自分の物語がどこに行き着くのか
真剣に考えて日々を過ごさなければ、大切な事にも気付けないのだなと、考えさせられました(個人の感想です)

今、ボクが普通に出来ているそれら全ては、もしかし無くても、魔法の様に貴重な事なんだと気付きました——

そんな作品を是非!

★★★ Excellent!!!

 一見、相容れぬような『地震』という現実的なテーマと『ファンタジー』な要素が上手く『世界観』という形に落とし込まれており。読みやすい文量で、上手く纏められている作品ですね。
 導入から最後に向かって、主人公の抱く単純なのに深い一言『生きる』を丁寧に綴ってあり。読者に感じさせるものがあります。

 とても読ませる素晴らしい作品だと存じました。一言、学校で道徳の教科書とかに載せて欲しい作品。

★★★ Excellent!!!

 こちらのお話を読んで、あの日の石巻で生き延びた友人の話を思い出しました。
 漁船に乗っていた彼は、地震が起きてすぐ船のみんなと山に向かって「津波が来るぞ!!」と叫びながら走って逃げたそうです。
 その姿を見てすぐ避難して助かった人も多かったのですが、途中で「何びびってんだよ、だっせえ」と笑っている中学生のグループに会ったそうです。
 彼は気にせずそのまま走って避難して、無事でしたがその中学生たちは行方不明になりました。その後十年以上ずっと罪悪感に苛まれています。

 天災といった人間のコントロールを超えた大きな力と言うものは常に存在します。
 そして魔法であれ科学であれ、人間の技術、人間の制御できる力というものには限りがあります。
 その中で思うに任せぬ現実に直面した時、どのように生きるか考えるきっかけになる良作だと思いました。

★★★ Excellent!!!

いきなり自分語りから入るのはあんまり好ましいことではないんですが、私は3.11の被災者なんですよ。でかい地震の影響をわりとそれなりに受けて、しばらくまともな生活は出来なかった経験があります。もっとも当作品の内容ほどではありませんでしたが。

この作品の注目すべきところは大きな災害にぶち当たって、そこからどう生き延びることが出来たのかというのが最大の見せ場でしょう。
私だって密接で何日も閉じ込められるようなことがあれば、例え同じ状況の人が周りにいたとしても発狂してしまうかと。何より作中のキャラクターと同じく、過去のトラウマを思い出してしまうからですねぇ。

話は戻って見せ場となる中盤の事件。この出来事自体がほぼ初めての者。過去の出来事を思い出して動けなくなる者。過去の経験を生かし冷静になれる者……それぞれがリアリティのある描写で描かれて大変見ごたえ有りけりです。ご興味が向いたのであれば是非とも一読をおすすめ致しますわ

★★★ Excellent!!!

大規模地震の発生を前提とした、小規模なヒューマンドラマです。
小規模といっても、そこに漂う日常感→絶望感→諦念→心理的復旧という流れの滑らかさには驚かされます。

災害を扱ったものである以上、そこには人の生き死にがあります。その境界線を、主人公はどう切り抜けていくのか。否、どう翻弄されていくのか。

それをきちんと描いたうえで、クライマックスの主人公の『ある決意』に繋がる。実に美しい構成だと感じました。

贅沢を言えば、もう少し情景描写があってもよかったかも? というところですが、それこそ重箱の隅を突くようなものですね。

皆様もこの作品の『二人の』主人公の生き方に触れてみてください。