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  • 第30話への応援コメント

    完結お疲れ様でしたm(__)m

    海斗たちの物語は、きっとこれからも続いていくのですね。世界を駆け、世界に散らばるあのドラゴンのような生物と対峙していくのでしょうか。

    海斗と華凛、落ち着く所に落ち着きましたね。いつくっつくのかとヒヤヒヤしていましたが(笑)
    泰一と美希ちゃんもそれほどいちゃつくところはありませんでしたが、二人は余計にありませんね~。これからかな、と。

    兎も角、お疲れ様でしたm(__)m

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!
    そうそう、せっかく三人称、それも群像劇的に描きたいという狙いがありましたので、色恋沙汰は若いもんに任せて2ペア作り(おい)、あとは渋い男性キャストとかっこかわいい池波先生に任せた、というところです(^^;

    最後までご高覧くださり、ありがとうございました!(^^)/

  • 第30話への応援コメント

     完結したようで、おめでとうございます。
     僕自身がやりすぎたかと心配になるくらいの批判を浴びながら、よくぞ完結させてくださいました。
     ありがとうございます。

     作品としての魅力の話を先にすると印象が弱くなるかもしれませんので、先にツッコミどころの話をさせていただきます。ただ、第5章までに散々ツッコんできましたし、もしそれらを書き直せば最終章である第6章も自然と変わってくるでしょうから、とりあえず4つ。おそらく、どれも修正に手間はかからないと思います。
     1つ目は、第5章からの話でもあるのですが、ドラゴンとイージス艦『しなの』の距離がイメージしづらいことです。ドラゴンが浮上したとき60kmの距離があり、これがハープーンミサイルの射程圏内なのは良いのですが、その後、「視認できる距離」に入ってから、各場面でどれくらいの距離にいるのか、おおまかにでも説明が欲しいと感じました。特に、海斗くんたちがホバーバイクに乗っているとき美希さんの矢が見える描写がありますが、僕が聞いている話では矢の射程はせいぜい300mほどとのことなので、ドラゴンが『しなの』から見て水平線上(5km以上先)にいるなら、普通の矢では届かなくなってしまいます(もちろん、弓にも矢にも魔法が込められており、泰一くんと同じように美希さんの能力が強化されているなら有り得なくはないですね)。
     2つ目は、海斗くんがドラゴンと額を突き合せたとき、想念の送り合いをしたのかしなかったのか、はっきりしないことです。第27話本文には「何かを伝えてくるわけでもなく、ましてや怒りや苛立ちをぶつけてくるのでもない。明確な想念がテレパシーで伝わってくるわけでもない。/ただ少しばかり、海斗にも察知できたところがある――やれやれだ、と」とありますが、その後の描写を見ると海斗くんはドラゴンからもっと多くの想念を送られていたように読めます。ドラゴンが(意図して)海斗くんに何かをしたのかしなかったのか分かりにくいので、いっそここは「海斗は自分の心にドラゴンの想念が流れ込んでくるのを感じた」みたいな描写にしてしまって、後の場面でその内容を海斗くんの口から語らせても良いんじゃないかと思います。
     3つ目は、同じく第27話で相模さんが責任を取ろうとするシーン、「自らの眉間に銃口を突きつけた」とありますが、眉間ではなく「こめかみ」が自然だと思います。辞書によると「眉間」は「まゆとまゆの間。額のまん中」のことで、「こめかみ」は「耳の上の髪の生え際の所。ものをかむときに動く部分」です。モデルガンで試したのですが、自分の眉間に垂直に銃口を当てようとすると、ちょっと手が痛くなります(銃を逆さにすればマシになります)。
     最後は、第29話で海斗くんが出かけるシーンです。僕は詳しくないのですが、車や船での移動にそれなりに時間が掛かりそうなことを考えると、集合するのは午後ではなく朝にしないと日が暮れてしまう気がしました。海斗くんがTVを見るのと海に出かけるのが同日である必要性は感じられませんでしたし、華凛さんが確認の電話を入れるのを前日の夜にすれば問題解決だと思います。

     さて、本作の魅力について。
     登場人物たちの心情や他者との距離感が最初から最後までじっくり書かれているのが、本作の特徴であり大きな魅力だと思います。以前も書きましたが、少年少女の暗い過去が、安易または鮮やかに解決されないという筋書きは、彼ら彼女らが抱える過去に重みを持たせていて良いと思います。海斗くんが自分たちの過去と今を想念としてドラゴンに伝えるというくだりは、本文はちょっと説明不足な気もしましたが、あの状況で敵意がないことを伝えるなら最善の方法だったと思います。ダンジョンでの経験が活かされたという意味でも、読み応えのある展開でした。
     また、日常に戻った海斗くんが以前とあまり変わっていない点も高評価です。海斗くんの悩みはお父様のことでしたから、お母様が何も察していないとしたらちょっと残念な気もしないではないですが、本文中ではお母様が気付いている可能性は排除されていませんし、気付いていることを本文に書いてしまうとそれはそれで微妙な感じになりそうなので、そこは良いでしょう。本作において大事なのは、たとえ他の人には理解できなくとも、海斗くんや他の3人の中に、確かに何かが残ったということなのかな、と思います。
     華凛さんの告白(カミングアウト)なのかよく分からない提案のくだりが終始真顔というのも、僕としてはポイント高いです。華凛さんがものを知らない(世間知らず)というのもそうなのですが、お嬢様キャラを作っていた人間が急にデレていたらむしろ怖くなるところでした。それに、華凛さんが真顔なおかげで、彼女にとって海斗くんへの提案は、単に海斗くんを好きになったというだけでなく、(遠山さん以外の)他者と本気で関わりたいという思いの表れなのかな、と読めるのも良いです。華凛さんにとってはまずはそこからですよね。
     物語の締めの台詞を池波先生に言わせているのも、良い点と言ってよいでしょう。先生は先生で暗い過去を抱えているので、この台詞はちょっと悲しく聞こえないこともないのですが、遠山さんや華凛さんの計らいというか罪滅ぼしのおかげで事情を聞いているでしょうし、海斗くんたちが海に来るために車や船を手配してくれているくらいですから、きっと先生も少年少女から何かを感じ取っているのでしょう。華凛さんのこともそうですが、池波先生についても、内面の詳細をあえて書かないのは好感が持てますし、この作品――人間の苦しみや痛みを克服するのではなく、それらの重みを尊重して寄り添う姿勢を大事にする作品――らしくて良いと思います。
     振り返ってみると、ツッコミどころも色々ありましたが、先の展開への興味を尽きさせない筋書きで、きちんとテーマも設定されており、読み応えのある面白い作品だったと思います。執筆お疲れさまでした。そして、完結させてくださってありがとうございました。ツッコミどころが多いので☆3つとはいきませんが、とりあえず☆2つ、送らせていただきます。レビューコメントを書くのは苦手ですし、書こうとしてもネタバレは避けられそうにないので、そこはご容赦いただけると幸いです。

     最後まで、長文失礼しました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ぶわぁ……(´;ω;`)(謎の落涙) 別に僕はどなたかに人格を否定されて興奮する性質ではありませんが(笑)、偉そうなことを申し上げるとすれば、あじさいさんこそ、よくぞここまで『親しき中にも礼儀あり』を貫きながらご叱咤くださったものだと、感銘を受けております。もちろん『人格を否定された』などという感情は1ミリも抱いておりません(^^)

    これ、通用するか否かが分かれる喩えですが……

    【あじさいさん】モスラの卵
    【岩井】それを崇める原住民

    みたいなノリです(なんだそれは)
    しかもあれだけボロ出しまくったのにお星様が二つも! お星様の価値について、などというのはあんまり考えたことのないテーマですが、『あのあじさいさんから頂戴した貴重な★★である!』

    と、いうことは言えると思います(^^;

    次は一人称、軽快なアクション攻めで行こうと考えております。
    お願いは致しませんが、飽くまで『お誘い』として、今後も叱咤激励いただけると大変ありがたく存じます<(_ _)>

    最後になりましたが、もう一回! ありがとうございました!

  • 第30話への応援コメント

    完結お疲れ様です〜!
    これからも海斗たちの物語は続いていくのだなと思うと、何だか嬉しいです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    やっぱり『続編あんの?』くらいの方が、逆にまとまりがよい様子なので、最近はこんな終わり方が多いです(^^;

    「もう一度読んでくれ!」などとは申しませんが(無礼千万)、大幅リメイクする予定ですので、しばしお待ちを<(_ _)>

  • 第26話への応援コメント

    ドラゴンとの思念の交換は、なかなか上手くいきませんね(>_<)
    海斗のゼロ距離、どこまで通用するのか、見守りたいと思います。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!
    まあ元ネタは『E.T.』のような気がしないでもないんですけれど(^^;

    残りわずかですが、お付き合いいただけると光栄です!(^^)!

  • 第24話への応援コメント

     第5章を読ませていただきました。
     話のおおまかな流れとしては、「ドラゴンが海上に現れるんだけどイージス艦では歯が立たない」、「イージス艦に戻った海斗くんたちが遠山さんを懲らしめる」というこの2つが主軸になるのかな、と思います。話としてやりたいことは分かる気がしますし、単にワープして遠山さんを懲らしめて終わらせるのではなく、展開に起伏がついているのは面白いです。

     ツッコミどころについては、岩井さんが以前、本作の執筆に行き詰っているという話をなさっていたことを考えれば、そこは大目に見るべきかもしれませんね。
     今後の創作活動の役に立つかもしれないので、一応、ダメ出しさせていただきますが、全体に関することで言うと、作中の出来事や展開、キャラクターの判断や言動などについて、理由や必然性をもう少し明確に打ち出してほしい感じがしました。
     話がごちゃごちゃしてしまいましたが、論点ごとに番号を振ったのでお付き合いくださると幸いです。

     1点目。
     第4章までの内容では、遠山さんや相模さんは海底のダンジョンにどんな存在が秘められているか、具体的には知らなかったんじゃないかと思いますが、その割に、出てくるのがドラゴンであることをまるで事前に知っていたかのような反応をするのが気になりました。
     結果的にドラゴンは肺呼吸するタイプだったようなので浮上するのが自然な流れっぽいですが、深海の怪物ですし、巨大な魚やイカ、クラゲなどであれば水上に浮上する必要はないでしょうから、出てきたところを叩くだけでなく対水中戦闘も用意しなければならないだろうと思います。そうなると、どのタイミングで何が出てくるか分からない状況に備えているのがイージス艦1隻なのはどうかと思います。空自はなぜかやる気がないようですが(電波障害を想定しろとは言いませんが「せめて仲間と連携を取りやすい距離にいろよ」とは思います)、海自も海自で、潜水艦くらい用意しておかないと、大波を起こされただけで船が転覆して作戦失敗になりかねません。

     2点目。
    相模さんの判断として「何か動くものが出てきたからまずは攻撃しよう」というのもよく分かりません。遠山さんが「捕縛」という言葉を使ったり、生物兵器に使いたがっていたりすることを考えると、力任せに最大火力で攻撃するのは不合理な行動に思えます。

     3点目。
     海底ダンジョンから脳波に似た波が発せられているという話があったことを考えると、ドラゴンがダンジョンを飛び出した後に臨戦態勢になるのではなく、その前に海底から発せられる波動の変化を感知してイージス艦が臨戦態勢をとる、という描写にしても良かったのではないかと思います。

     4点目。
     そもそもどうしてドラゴンがこのタイミングでダンジョンを飛び出してきたのか、もう少し説明があった方が良いように思いました。「ドラゴンは目覚めていればいつでもダンジョンから抜け出せたんだけど、ダンジョンの中ではこの1万2000年ほどずっと眠らされていて、海斗くんたちが部屋に訪れたから目覚めてしまった」という理解で良いのでしょうか。しかし、それでは「檻」とは呼べませんよね。しかも、ダンジョンの外から感知できるほど強烈な「波」を発しているドラゴンのことを警告せずに、海斗くんたちを不用意に近づけさせてしまったSQが「元凶」である可能性が……(笑)

     5点目。
     第5章というより第4章のツッコミどころとするべきかもしれませんが、海斗くんたちがイージス艦に戻ってくるくだりで、イージス艦がドラゴンに歯が立たず撃沈寸前になっている状況で海斗くんがワープしてきた理由が、よく分かりませんでした。僕としては「第4章終盤で海斗くんが海上に戻るのを見送ったのは、ドラゴンに襲われるタイミングでイージス艦に戻っても何もできずに沈められるままになることを警戒してのことだろうな」と(勝手に)思っていたのですが、そういうわけではなかったんですね。ならば、SQの報告を待つとか言わずに、さっさとイージス艦に戻れば良かったのではないでしょうか。イージス艦に戻っても役に立てるとは限りませんが、ダンジョンに留まれば本当に何もできなかったでしょうし。

     6点目。
     意図したわけでもなさそうなのに、海斗くんと華凛さんがCICの真横にワープするのはさすがに不自然な感じがしました。
     ただ、第4章で使えなくなったっぽい描写があったワープポイントが問題なく復活したのは、情報や記述を整理すれば事情が分かりそうなので別に構いませんし、泰一くんの登場も、場面として映えるのでそれで良いのです。
     それに、これはこの場面の問題というよりも、第18話のSQの発言「恐らくは、お主らが乗っていた母船の甲板にでも飛ばされるじゃろう」が邪魔になっているのでしょうね。ワープ先はSQにも予想がつかないのではなく、SQがワープポイントに働きかければ会場の好きな場所に海斗くんたちを送り届けることができる、という設定にしておけば問題解決だと思います(余計なお節介ついでに言うと、この設定にすれば華凛さんが美希さんを人質にした一件の後、SQがワープポイントを一時的に停止して華凛さんに身の上話を要求するという筋書きにできると思います)。

     最後に、7点目。
     SQがテレパシーの応用で華凛さんの「思い」をドラゴンに送ったという展開が、もしかして作品のテイストをぶち壊しているんじゃないかと心配です。
     釈迦に説法というものですが、本作の場合、ダンジョン攻略を通して海斗くんたちの過去の問題が解決したり、考え方が前向きなものに変化したりするわけじゃないんですよね。少なくとも今のところ、「自身の過去を他者に対して打ち明けることで、自身の過去や他者と正面から向き合っていく」のが本作の根幹だと思います。言い換えると、「過去は変わらないし美化することも乗り越えることもできないけれど、他者に打ち明けることで何か(おそらく癒しに似た何か)を得られる」というのが本作の持ち味のはずです。少なくとも僕はそう読んでいました。
     ところが、ここに来てSQが華凛さん本人の同意なく心を読んだ挙句に、それを勝手に問題解決に使ってしまうとなると、華凛さんが自分の意志でみんなに過去を打ち明ける機会が失われますし、その重みもなくなってしまいます。それに、本人の心情変化や決意に関係なく、過去を思い出すだけで問題が解決されてしまう(この場合はドラゴンが鎮まってしまう)なら、本作でやってきたこと全体が茶番になりかねないんですよね。
     SQがテレパシーで会話できるだけなく他者の「思い」を「想念」として伝えることができるということが、ここに来て明らかになるのもどうかと思います(個人の感想です)。そんなことができるなら最初から使えよ。ダンジョン攻略を始める段階で4人の心を読んで、必要と判断した記憶や気持ちを共有させておいた方が、チームワークは高くなったじゃないですか(最初は海斗くんと泰一くんが少しギスギスしてたわけですし)。4人にとっては命の危機、SQにとってもダンジョン最奥部の怪物を再び相手にして世界を守れるかという瀬戸際だったはずなので、手っ取り早くチームワークを高める手段を使わない手はないでしょう。世界の危機に比べれば「青くさい青春ごっこ」にも見えそうなことのためにプライバシーを尊重してあげるような場面じゃなかったんですよ。
     また、SQが想念を相手に送ることができるなら、ダンジョン内の怪物たちに対しても精神攻撃や威嚇くらいできたんじゃないかという疑念が出てきますし、「そもそもダンジョン攻略を海斗くんたちがやる必要ってあった?」って話にもなってきます。ダンジョンを人間が入れるように整備したり、青少年に武器を与えたり、武器を通して泰一くんたちの身体能力を強化したり、ダンジョン内の案内をしたり、ケガを治したり……という今までの流れだけでも「SQにおんぶにだっこ」なんですから、最終的にラスボスを鎮めるのもSQなら、最初から全部SQがやった方が安全で確実だったように思えます。もしそうなら、海斗くんたちがチームワークを高める必要なんてどこにもなかった、ということになってしまいます。
     長くなりましたが、何が言いたいかというと、華凛さんが過去を思い出すのとドラゴンが攻撃をやめることの間にSQを挟むのは問題が多すぎるということです。ドラゴンは元々心が読めるんですから、SQを介在させるくらいなら、華凛さんの心をドラゴンが読み取ったという話にしてしまった方が良いと思います。

     以上、第5章の全体的なツッコミどころの話をしてきました。
     細かいツッコミどころとしては、明らかな誤字というよりは、言葉や表現の選び方などが多いです。ただ、例によって、細かい話はリクエストがあればということにさせてください。
     すぐに直せる箇所についてだけ申し上げておくと、第19話で華凛さんが口にする「遠藤睦」という名はおそらく「遠山睦」の誤植だと思います。
     また、第21話序盤に「はッ、時速約〇・五キロの速度で、直上へ上昇中!」という台詞がありますが、時速0.5kmではペンギンが地上を歩く速度の半分くらいです。水深8000メートルから16秒で浮上してくることを考えると、「秒速0.5km(=秒速500m)」あるいは「1000ノット(10ノットが秒速5.14mらしいので)」ではないかと思います。僕も詳しくはありませんが、海の上でのことなので、時速・秒速よりも「ノット」を使う方がリアルな気はします。

     長文失礼しました。
     今回も批判ばかり書いて長くなったので、ご確認くださった後は削除していただいて構いません。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!
    今回もまた、俗っぽい言い方をすれば『舌を巻く』ような論理的なご指摘の数々、頭が上がりません。

    しばらくは、このお話の完成度を上げられるだけ上げて、今後の勉強材料にしていくべきだな、と。
    ただ、これは完全なわがままですが、『もし』『万が一』拙作の良い点などあれば、第五章に限らずご指摘いただくことは可能でしょうか?

    書き込みをいただく場所はどこででも大丈夫です。純粋に、「こりゃあモチベーションの維持が必要だなあ」と思ったまでのことでして。

    お時間・お心に余裕がおありであれば、一カ所でも『良い点』など上げていただけると幸いです<(_ _)>

  • 第3話への応援コメント

    読み合いから来ました!!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます! ようこそカクヨムの僻地へ!(笑)
    早速のご高覧、ありがとうございます。矛盾点はこれから叩き直していく予定ですので、「あ、岩井のヤツ、爪が甘いな」と長い目で見ていただけると幸いです!(^^)!

  • 第22話への応援コメント

    相模さんは、まだ救いがあるように思いますね。最初から罪悪感を持って仕事をしていますから。
    ただ監督は……長年凝り固まったものはどうでしょうか?
    海斗たちとの攻防、ドラゴンとの戦いの行方を見守ります。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    相模さんにはカッコよく、遠山さんには無様に退場していただこうと思っています(笑)
    あ、今回のコンセプトでは死人は出ませんので、「退場」というのは「どう結末に持っていくか」という程度の意味合いですけれども。

    海斗くんたちも頑張ってね!(お前がいうな^^;


  • 編集済

    第20話への応援コメント

     すみません、続きを読ませていただきたいと言っておきながら、投稿からずいぶん間が空きましたね。
     ここしばらく、紙の小説をまともに読めない日が多かったのですが、この1週間ほどは久々に紙の本(クラークのSFなど)を読んでいました。そして、そっちに夢中になっていました。すみません。

     第4章を読ませていただきました。
     物語も終盤かと思われたこの状況から新たな謎を出して次の第5章につなげるのは、すなおに言って興味を引かれる展開だと思います。華凛さんの過去の話は途中でぶった切られましたが、まだ色々ありそうな感じがしますね。また、相模さんや遠山さんはともかく、池波先生や他の生徒、他の自衛官の方々のことは心配になります。まあ、仮にイージス艦が沈んでも、あれをああすれば少なくとも生徒は助かりそうな気がしますが。

     前回も不備に見える箇所を取り上げたので、追い打ちのようにはなるのですが、今回もいくつか言及させていただきます。
     おそらく推敲の過程で原稿に混乱が生じたせいだと思うのですが、第19話、「発光現象」のくだりがよく分かりませんでした。海斗くんが「きっと、あれがワープポイントなのだろう」と思った直後、なぜか、魔法陣が機能しなくなったとしか読めない展開になっています。何か記述が抜け落ちてないでしょうか?
     SQに武器を放棄するように言われた華凛さんがすなおに武器を手放すのも気にはなりますが、抜け落ちた場面が埋められれば経緯が明らかになりそうなので、それは良しとしましょう。
     ただ、頑なに事情を話さないままここまで来て、ワープポイントが損なわれた状況でSQに「一思いにやってくれ」と言った(事情を話さないまま死のうとした)華凛さんが、美希さん(訓練も受けていない女子高生)に殴られた程度で自分の過去を話すようになる経緯は、ちょっと想像がつきません。美希さんは「華凜の正体がはっきりすれば、あたしたちが帰還できる可能性はまだあるのよ」と言っていますが、額面通りに受け取るなら華凛さんのことを考えているようには思えないので、華凛さんが美希さんに心を動かされたわけでもなさそうです。ダンジョンを脱出する糸口を探すためだけに事情を話し始めたのだとすると、華凛さんの「黒幕」やその目的の話をすれば済むはず(少なくとも華凛さんの立場なら一旦はそう考えるはず)なので、彼女の生い立ちや父親の話は不要でしょうし……。

     また、これは不備ではなく物語上の演出という気もするのですが、華凛さんが情緒不安定に見えるのも気になりました。海斗くんたちの前でお嬢様キャラを作っていた理由は(この時点では)よく分からないのですが、とにもかくにも生命の危機という極限状態で自分の性格を隠し続けていたのですから、本来は精神力が強く、感情を表に出さない振る舞いを心得ているはずです。その割に、美希さんを人質にとった場面以降、ずいぶん余裕がなくなったな、という気がします。
     まあ、これは彼女の人間性と読むべきかもしれませんし、基本的にはそういう読み方もできるとは思います。素性を偽っているにしてもおそらく10代後半、年上でもせいぜい20代でしょうし、「(年の近い)海斗たちに心を開きたい、事情をぶちまけて分かってもらいたい、本当の意味で友達になりたい」と本心では思っているのかもしれませんね。
     ただ、唐突に出てきた「遠藤睦」という名前は、本来隠し通さないといけないものだったんじゃないかという気配がプンプンします。また、ドラゴンが暴れ始めてから体育座りで震えているというのは、率直に言って彼女らしくないように見えました。

     長文失礼しました。
     批判的な評価をするとき、具体的な根拠を示そうとすると、ポジティブな評価よりもどうしても文字数が多くなってしまうのは、僕も申し訳なく思っています。
     本作は特に、登場人物たちが目に見えて成長したりチームとして結束していったりするというよりは、それぞれが抱える過去の問題が徐々に明かされていく(明らかにすることでそれぞれが自身の過去と向き合い、チームに対して誠意と信頼を示そうとする)ことに重点があるので、物語が終わってみないと「この人物が魅力的で……」、「このときの心理描写が秀逸で……」という話をしにくいという事情もありますね。
     もちろん、このことは本作の短所ではありません。むしろ長所だと思います。主人公の周辺の登場人物たちがそれぞれに悩みや葛藤を抱えていることをきちんと描いている小説は、Web小説の冒険ものだと珍しい気がします(僕もそこまで詳しくはないですが)。

     さて、第5章以降のことなのですが、僕としてはなるべく物語がまとまりを持った状態で読んでいきたいですし、こう言っては何ですが、紙の本を読めるコンディションの内にそれを習慣にしたいとも思っていますので、続きを読むのは第5章がすべて掲載されてからにさせていただきたいと思っています。
     不誠実な読者で申し訳ないですが、話の途中で待たされると居ても立っても居られなくなる性分なので、ご容赦いただけると幸いです。

    作者からの返信

    毎度のことながら、熱いご批評を下さり、本当にありがとうございます(^^)/

    「あっ! 違います! そこはこれこれこういうわけで……!」という塩梅で、修正点(頭にあるけど表現しきれていない点)は多々ありますね。

    そしてそもそも思いつかなかった、登場人物の設定と言動の嚙み合わなさ。こればかりは、もはやあじさいさんに土下座してもしきれません<(_ _)>

    不誠実だなんてとんでもない! どれほどのことを学ばせていただいているか、『言葉にできない』レベルです(最近、小田和正聞いてないなあ)。

    余談ですが、個人的にクラークの作品では『2010年宇宙の旅』が一番好きです。映画で言えば、そりゃあ『2001年~』ですけれども。
    あれほど文学的でありながら、映像に酔いしれる作品を僕は知りません。

    さて、今日も(UPできるかどうかは別として)頑張ります(^^)

  • 第10話【第三章】への応援コメント

    10話までお話を読まさせて頂きました。
    気になる部分が幾つかありましたが、作者様がしっかりと考えて作品を描かれている事が伝わって来ました。
    一緒に切磋琢磨出来たらと思います。
    応援させて頂きます!

    作者からの返信

    ご高覧および応援のお言葉、ありがとうございます!
    そうそう、気になる部分山々ですよね、この話(笑) 一旦書き終わってから、ダンジョンやらなにやらの設定をしっかり立て直そうと思ってはおりますが。

    それにしても、『切磋琢磨』! なんと甘美な響き……(頭大丈夫か、俺^^;
    御作にもお邪魔させていただきたく存じます。遅読で恐縮ですが、こちらこそよろしくお願いいたします(^^)/

  • 第4話への応援コメント

    読み合い企画から来ました〜!

    作者様の想像力と、それを文字で表し尽くす文章力。感服いたしました。私も、学ばなければいけません!

    また読みにきます。

    もしよろしければ、私の作品も読みに来ていただけると嬉しく思います!

    執筆活動頑張ってください!

    作者からの返信

    こんばんは! コメントありがとうございます!
    いやいや、これで結構、否、穴だらけなんですよ、このお話(^^;

    一旦書き上げてから、結構な推敲が入るかと思いますが、もし卵君さんに「
    ん? 岩井とかいう奴が変なもん書いてたな」と思っていただければ、大変光栄です。

    最後になりましたが、応援のお言葉、ありがとうございます!
    遅読で恐縮ですが、そちらにもお邪魔させていただきますね(^^)/


  • 編集済

    第18話への応援コメント

     第4章の、現在掲載されている部分まで読ませていただきました。
     物語としては終わりが見え始めた感じもするわけですが、率直に言わせてもらえば、第4章が丸々「クライマックスへの助走」という位置づけになるせいか、思ったほど話が進まないなぁという印象です。

     ツッコミどころが色々あって正直あれなのですが、とりあえず、相模さんと遠山さんが何をしたいのかよく分からなかったことだけ申し上げておきます(今回も辛口ですのでご注意ください)。
     陸上自衛隊の元隊員がイージス艦の艦長のPCからデータを引き抜こうとしていたなんて、外国のスパイとかそういう脅威を気にしても良い事案だと思うんですよ。そんな相手に、本人が履歴書に書いたようなごくごく表向きのプロフィールを確認して、「武人(→軍人、あるいは自衛官)から教育者へと鞍替えした理由が分かれば、我々もあなたの狙いを把握しやすくなる」(=現時点では池波先生の『裏の素性』にも『裏の目的』にも見当をつけられていない)と手の内を明かしてしまうなんて、何を考えてるんでしょうか? 公安に連絡を取ったことですし、大学時代に何それの政治活動に参加していたとか、過去の海外旅行でどこそこの誰と接触したとか、現在の交際相手あるいは結婚相手はこれこれの男だとかの、プライバシーに躊躇なく踏み込むような話を持ち出さないと、揺さぶりにもなりせんよね。それにね、池波先生に「裏の目的」があるなら船の外と連絡を取っている可能性があるんですから、データを見られた可能性より先にそこを警戒しなさいよ。実際、深海の「結界」の中にいる「ベル」が、海斗くんたちに気付かれずに海上のイージス艦と連絡を取れるんですから、そういう小型の発信機や通信機を持っていないか、徹底的な身体検査をすべきだと思いますよ。
     でね、遠山さんが急に出てきて、おそらく相模さんにまともに根回ししていないでしょうに、国家機密だったはずの情報をべらべらしゃべり始めるわけです。かと思えば、池波先生が納得したとも協力させろとも言わない内にいなくなってしまいます。何しに来たんでしょうか? 相模さんが尋問するまで池波先生は別に騒いでないようですが、仮に彼女が騒いでうるさかった、あるいは脱出と抵抗を企んでいそうで警戒していたということなら、適当な話をでっち上げて4人が深海で死んだのだと信じさせるか(池波先生に「裏の目的」があってもそう言えば黙らせられるので)、あるいは銃殺はしないにしても軍医に言って麻酔か何かで眠らせればいいじゃないですか(それが違法行為だとしても船の上なら事実の隠蔽や捏造ぐらい容易でしょう)。
     聞いてもいないのに電波系老人の話に付き合わされた池波先生も、肝心なところで怖気づいて抗議しないまま引っ込んでしまいます。僕が見落としているだけかもしれませんが、おそらく池波先生はこのとき遠山さんの素性を知らないでしょうし、相模さんも「遠山作戦司令長官」ではなく「遠山監督」としか言っていませんから、陸上自衛隊の元隊員が声だけで震え上がる相手ではないと思うんですよね。もし池波先生が抗議して、遠山さんが「(○○に比べれば)人の命など大した価値はない」などの冷酷な持論を披露してくれたなら、その後で池波先生が口を噤んでしまうのも納得なんですが……。
     遠山さんが悪趣味な人で、池波先生にあえて真相を告げて彼女が困惑する様子を楽しんでいる、という場面に見えなくもないですが、海斗くんたちが心配になったというより唐突なオカルト話にドン引きしたと考える方が自然な場面なので、この解釈でもフォローしきれるかどうか、といったところに思えます。

     長文失礼しました。
     物語的に話の途中ということもあって、このコメントには批判しか書けなかったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。

     岩井さんは本作の執筆に行き詰っていらっしゃるとのことですが、盛り上がりそうな展開になってきたので、続きが投稿された際には読ませていただきたいと思っています。

    作者からの返信

    ご批評ありがとうございます。
    何といいますか、申し訳なさを感じております。確かに、ゴリ押しでもいいから書き進め! という方針ではありました。

    が。こんなに粗雑な文章を上げていたのかと思うと、ううむ……。あじさいさんの真摯さに向き合えていない、という罪悪感に満ち満ちております。

    頂戴した課題を念頭におきつつ、ひとまず第四章の書き上げを目指します。

  • 第19話への応援コメント

    やはり、華凛は任務を負っていたのですね。
    それにしても、桁違いの戦闘力。彼女の強さの背景には、厳格な父の教えがあったのですね。

    このダンジョンに呼ばれた四人の共通点とは何なのでしょう?
    それぞれに心に傷を負う程の過去を持つことでしょうか? 気になります。
    そして、倒れたドラゴンも。

    次回もお待ちしております!

    作者からの返信

    おおっと、御礼申し上げ忘れておりました(滝汗
    コメントありがとうございます! 『人の心』という漠然としたものを描くような形になりそうですね。頑張ります(^ω^)

  • 第18話への応援コメント

    やっぱり華凛ちゃんは何か裏があると思ったんですよね……。彼女の方が危なそうですが。
    このドラゴンとの出会いが、おそらく事態を一変させるのでしょう。
    次回も楽しみにしております(^^)

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ふっふっふ、そうそう、華凜ちゃんがね……。
    そして、これでドラゴンの暴れっぷりを堂々と描けるというものです( ̄▽ ̄)
    危うくゴジラになるところでしたが、まあそこは岩井が上手く自重した、ということで(笑)


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    第14話への応援コメント

     第3章を読ませていただきました。
     釈然としない部分が所々にありますが、話が進んだという意味では良かったのではないかと思います。

     本作のダンジョンが「檻」であり「牢屋」だったのは、ゲーム的な世界の「迷宮」というよりダンジョンという言葉の本来の意味に近かったですね、そこはすみません。
     ただ、ね、このダンジョン、深海の水圧をはねかえす結界のようなものを張って、中を空気で満たしている、だから、海斗くんたちが普通に行動できるんだと思いますが、単に怪物の「檻」だというならそこまで来訪者(の人間)に優しい設計のまま1万2000年以上も保持する必要あったのか、という疑問が浮かびます。1万2000年も深海の水圧をはねのけ続ける魔力があるなら、それで最奥部の怪物を弱体化させたり退治したりしても(そうしようとしても)良かったんじゃないかと思うんですね(SQは長い間眠っていたとのことなので結界の魔力を供給し続けていたというのではないと思います)。もちろん、選ばれた者である人間にしか最奥部に眠る怪物を倒せないなどの事情があるのかもしれませんが、それならそれで、最初に持ち主をも強化する武器が与えられるくらいなのですから、怪物を倒すたびに、あるいは階層を進むたびに、武器が揃うとか魔法あるいは超能力を得るといった具合に準備が整っていく筋書きにしてくれても良かったのではないかと思います。
     第1章についてのコメントでも書いたと思いますが、こういったことが作品の不備だという話ではないんです。なぜこういうことを海斗くんたちが考えて、疑問に思って、その問いをSQに投げかけないのかという話なんです。そこでSQがはぐらかしたり、掴みどころのない謎めいた発言をしたりするだけでも、物語としての整合性はアップすると思います。

     第10話のお色気(?)シーンについては、まあね……(個人の感想です)。僕個人としてはWeb小説のお色気シーン自体があまり好きではないのですが、読者サービスとしては良いのかもしれません。
     野暮なツッコミかもしれませんが、海斗くんの立場を冷静に考えてみると、自分が膝枕されていることは、話しかけてくる華凛さんの顔の角度を見ればすぐに分かるはずですし、目覚めた時点で海斗くんは「自分が倒れてさほど時間が経っていない」と直感するくらいには頭が冴えているはずなので、そういう意味ではちょっとラブコメ的な無茶がある場面かな、と思います。最初からそういう男性向け要素がある作品なら構わないのですが、ここまで割とシリアスな話で組み上げてきたので、唐突な感じは否めない気がします。僕自身にはそういうセンスがないので、選択肢のひとつくらいに思ってほしいのですが、たとえば泰一くんが海斗くんに「(制服の)スカートがめくれるのも気にせず戦う女子高生っていいよな」と耳打ちして海斗くんがドン引きするとか(逆に華凛さんが「勇ましく戦う男の子ってすてきねぇ」と呟いて美希さんが『まさか華凛も泰一を狙ってる……?』と危惧するとか)、海水や怪物の体液を浴びて女性陣の体のラインがくっきり見えてしまって海斗くんと泰一くんが視線を泳がせるとか、そういう場面を事前に作っても良かったかと思います。
     また、こういうお色気シーンは、キャラクター同士の距離感を縮めるとか、他の人物たちを巻き込んだ次の出来事(事件)につながるといった展開に使った方が、効果的な気もします。今回の場合、華凛さんが膝枕をしてくれるという海斗くんにとって唐突な出来事が起こっているわけですから、ラブコメ的な場面を作るならそっち方向に振り切っても良かったんじゃないでしょうか。これもたとえばの話ですが、異性でありながら自分に膝枕をしてくれた意味を邪推した海斗くんがその後しばらく華凛さんを意識してしまうとか、泰一くんやSQが海斗くんを茶化して「かわいい女の子に膝枕してもらったからって関係を急ぎすぎなんじゃないか?」と言ったのを海斗くんが否定するんだけどうっかり「華凛がかわいいのは否定しないけど」とか何とかこぼしてしまうとか、美希さんが海斗くんのことを「変態だ」「不潔だ」と騒ぎ立てたところを海斗くんが「お前らだって人目も憚らずイチャイチャしやがって」的なことを言い返して美希さんと泰一くんが一緒に赤面するとか、そういうラブコメっぽい要素を加えてみても良かったんじゃないかと思います。どうせその階層の怪物(ドラゴンフィッシュ)は倒し終わった状況ですし、その方が4人+SQが打ち解けつつある感じが出るかな、と。僕が挙げた例はあくまでも選択肢であって、あとは岩井さんがこの作品をどういうものにしたいか次第なのですが。

     気になる点は他にも色々あるのですが、とりあえず大枠に関するところだけ挙げておくと、時間の経過がよく分からないかな、と思います。
     今さらではあるのですが、そもそも海斗くんたちが潜水艇で深海に潜ったのが何時ごろなのかよく分からないので、第2章にあった携帯食料の描写を見ても昼食なのか夕食なのかよく分からないんですね。で、ドラゴンフィッシュやウミウシは数で攻めるタイプの魔物のようなので、物語が始まってから第3章が終わるまでに結構時間が経過しているように思うのですが、4人+SQが怪物に怯えながら「夜」を明かしたという描写は今までになかったはずです。
     また、イージス艦「しなの」での出来事が「同時刻」と語られている辺りも、「相模さんや池波先生は一体何時間そこに停泊しているんだろう」と思います。いや、海斗くんたちのダンジョン攻略に際して「しなの」が出動しているということは周辺海域で何かしらの危機が起こる可能性があるということでしょうから、「しなの」がそこに何時間も停泊すること自体は別に構わないんです。ですが、本文中の描写を見る限りでは池波先生という民間人が乗っていますし、他の生徒の深海探査艇もこの「しなの」から発進していて、実習を終えたら戻ってくるんだと思うんですね。そうなると、いくら行方不明の生徒がいても、日が沈む頃には帰港せざるを得ないんじゃないかと思います。
     もちろん、話の展開のためには池波先生が「しなの」に乗っている必要があるんだと思います。ただ、それなら池波先生は後から正規のルートで乗り込む、あるいは事前に非正規のルートで乗り込んでいた、ということにしても良かったんじゃないかという気がします。最初は「しなの」以外の船にいて、
    「海斗くんたちの深海探査艇との通信が途絶えた」、
    「ちょうど近くにイージス艦がいる。海上自衛隊にも協力してもらって4人を救出しよう」、
    「いつまで経っても救出作業が進まない。どうなってるんだ」、
    「海上自衛隊に電話で聞いても埒が明かない。旗艦の艦長に直談判して救出作業を進めてもらおう」、
    「イージス艦『しなの』に来ることはできたけど、すぐ帰されそうになった。でも、4人の安否確認が済むまでここにいさせてほしいと粘ってどうにか部屋を貰えた」、
    「やっぱり何だか怪しい。私なりに調査してみるか」、
     こんな感じに話を進めたら、池波先生が日をまたいで相模さんたちと一緒にいるということも比較的自然に描写できると思います。

     それから、これは単なるミスだと思いますが、第13話で美希さんが自らの過去を話すシーンに「美咲」という名前が出てきますが、これは「美希」の誤植だと思います。

     この他にも、SQはいつ、4人に何と言って「出張」に出たのかとか、SQと美希さんの話も泰一くんと同じで言いっ放しで何を伝えたいのかよく分かららないとか、近未来のイージス艦なのにピッキング対策もろくにしてないのかとか、マジレス的なツッコミを始めると色々あるのですが、そういう細かい話は岩井さんのご要望があった場合に改めてということにさせていただきます。

     長文失礼しました。
     このコメントは、批判的な話が長くなったので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。

    作者からの返信

    >あじさい様

    度々のご高覧及びアドバイスのご提供、ありがとうございます。
    いや、本当に全く以てその通りだ! と、やや興奮を抑えきれずにおります。

    しかし……。これはわたくしめの懺悔みたいになりますが。
    あじさいさんから細かいご助言を頂戴できることで、不快な思いをしたことは一切ございません(本当に)。
    ですが逆に、こんなポンコツ作品のために、あじさいさんの貴重なお時間を割いているのかと思うと、申し訳ないやらなにやらで複雑な気分になります。

    それだけあじさいさんのご指摘が詳細で、なおかつ的確であることの証明なのかもしれませんが。

    結構「これって迷惑じゃないかなあ……」と心配になりがちなのがわたくしめの性分なので、この点についていかが思われるか、わたくしめの近況ノートにでもコメントを頂戴できると幸いです<(_ _)>


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    第9話への応援コメント

     第2章を読ませていただきました。
     話としては、面白くなってきたんじゃないかと思います。

     第1章で僕が疑問に思ったと申し上げた部分について、海斗くんたちもきちんと疑問に思っているのは良いと思います。
     泰一くんが自分の家族のことを話す展開は、登場人物たちのキャラクター性に厚みがあることが示唆された点で良かったと思います。ただ、泰一くん自身がこの話によって他のメンバーに何を伝えたかったのか言わずに言いっ放しにしたのは、ちょっと謎な印象です。「自分は強い人間になりたい。そのために努力を積んできた。だから、この海底ダンジョンでリーダーを務めるべきは海斗じゃなくて自分だ」という話に聞こえなくもなかったのですが、どうやらそうではなさそうですし……。海斗くんの反応もちょっとそっけないというか、泰一くんが過去を話してくれたことで仲間の結束が強まったと思うなら、「勇気が出ない」とか言い訳していないで話せる範囲で自分のことを(探査艇が「着底」するまで3日ほど皆にそっけない態度を取っていた理由とか)話すべきじゃないかと思います。ですが、物語としては、一気に明かさず情報を小出しにした方が面白いかもしれませんね。
     美希さんが場の空気を悪くしてしまうのも良い展開だと思います。読者として物語に緊迫感を覚えるのは、強敵が登場したときよりも、主人公たちが本調子ではないとき、特にチームとしての結束が揺らいだときですよね。
     海斗くん、泰一くん、美希さんとは対照的に、華凛さんだけが感情をあらわにせず謎めいた感じになっているのも、興味を引かれる演出だと思います。

     細かいところで気になることはいくつかありますが、第1章の推敲に合わせて第2章を書き直すということもあるでしょうから、細かい話は岩井さんのご要望があった場合に、このコメントへの追記という形で書くことにさせていただきたいと思います。

    作者からの返信

    コメント・ご批評ありがとうございます!
    前回(第一章について)、あれほど厚さと熱さのこもったお言葉を頂き、感謝感激だったわけですが、第二章に関してもこんなにコメントを頂戴できるとは、いい意味で予想外でした(ご不快に思われたらごめんなさい)。

    現在、第16話まで改稿が『一応』完了しておりますので、もしお気に召すようでしたら、またご批評いただけると大変心強く存じます<(_ _)>

    まあ、今はスランプ気味で書こうにも書けない状況なのですが……。明日(って日付が変わったので今日ですね)はどうなることやら。

    何はともあれ、あじさいさんから頂戴いたしましたこと、重ね重ね御礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします(^^)/


  • 編集済

    第4話への応援コメント

     第3話への応援コメントの続きです。

    第2話
    「夏用の制服に身を包みながらも、その制服越しに筋骨隆々である様子が見て取れる」
    →(「夏用の」を削り)「制服に身を包みながらも、筋骨隆々である様子が見て取れる」
     少し前に「半袖の制服」という記述、少し後に「夏真っ盛りといった炎天下」という記述があるので、相模さんの制服が夏用のものであることは想像できると思います。

    「いかにも『日本人』然とした黒い瞳は、今は真っ青な太平洋を映していた」
    →(「いかにも『日本人』然とした」を削り)「その(黒い)瞳」あるいは「彼の(黒い)瞳」
     言いたいことは分からないでもないですが、避けるのが無難な表現だと思います。
     僕自身が勉強不足であることは承知していますが、一応、解説しておきますね。最近は――といっても何十年も前からある話なのですが――、人文・社会科学の分野を中心に、「普通とは何か」「異常とは何か」という話への配慮が求められています。社会全体で見て多数派・少数派に分かれる事柄は現実としてあるわけですが、多数派にしか当てはまらないことを「(普通は)こうだ」と言ってしまうと、知らぬ間に少数派を議論から排除していたり、少数派が多数派に合わせるべきだという話になったりしがちです。そこで、特にジェンダー(男らしさ・女らしさ)やアイデンティティ、ナショナリティ(国民らしさ・民族らしさ)、人種、身体などについて、「普通はこうだよね」という話はなるべくしないようにしよう、ということになっているのです。
     たとえば、「男の子がピンク色のカバンを持ってもいいじゃないか」とか、「女の子が戦隊ものやロボットアニメが好きでもいいじゃないか」といった話が歓迎される一方、「男の子だからカバンは黒や青でいいよね」とか「うちの娘は女の子なのに戦隊ものやロボットアニメにハマっていて心配だ」という話は、昔ながらの固定観念(ステレオタイプ)を強調することになるから避けようということになります。注意してほしいのですが、「黒や青のカバンを選ぶ男の子や、戦隊ものやロボットアニメに興味のない女の子が、実際のところ多数派か少数派か」ということはここでは問題ではありません。「普通(の男の子・女の子)はこうだよね」と言ってしまうこと、そういう固定観念を前提に話を進めてしまうことは、社会を息苦しくするからやめようという話になっているのです。
     今回の場合、「『普通の日本人』は目が黒い」という考え方を反映した表現になっているわけですが、当然すべての日本人の瞳が黒いわけではありません。モンゴロイドのいわゆる「純日本人」であっても髪、瞳、肌などの色素が薄い人はいますし、モンゴロイドの血が濃くない日本人もいます。もちろん、こんな話をしたからといって、岩井さんが日本人の多様性を尊重しない人だなどと申し上げるつもりはありません。そこは大前提です。ですが、不用意にこういう表現を使ってしまうと、読者からはそのように見られてしまうこともある、だから避けた方が無難だろう、という話です。
     蛇足かもしれませんが、そもそも、瞳が真っ青な太平洋を映しているのであれば、わざわざその直前に瞳が「黒い」ことを強調する必要はないんじゃないかと思います。

    「まさに夏真っ盛りといった炎天下で、双眼鏡を手にして海面を舐めるように見つめる相模」
     辞書によると「炎天」は「焼けつくように日が照る夏の空。また、その天気。炎暑」。つまり、「炎天下」は「夏の空の下」という意味ですが、そうなると、この場所が「イージス艦の艦橋」だという説明と合わないように思います。

    池波先生の台詞「それでも、子供たちに何かあったら誰が責任を取るんですか? その取り方は? それがはっきりしていないなら、死傷者が出る前に四人を救出してください!」
    →「(それがはっきりしていないなら、)急いで四人の救出に取りかかってください!」
     救出という言葉の意味を考えれば、「死傷者が出る前に救出しろ」というのは情報の重複ではないかと思います。特に今回は深海に探査艇が沈んだという状況なので、4人のうち1人ないし2人だけが負傷することは考えにくいでしょう。ということで、修正案です。
     それからこれは僕自身、自信を持てない箇所ですが、一応言及しておきます。「誰がどう責任を取るかはっきりしていないなら救出してください」という言い方は、話し言葉としてはありそうな気もしますが、文法的には「誰がどう責任を取るかはっきりしているなら、別に急がなくてもいいけど」という変な意味にとれなくもない気がします。もちろん、直前の「誰が責任を取るんですか? その取り方は?」という台詞の意味を、「責任を問われるのはあなた(=相模さん)ですよ。子供たちが死んだらあなたも困るでしょ」だと考えれば、そこまで無理があるという話にもならないでしょう。ただ、Web小説を読む人がその辺りを瞬時に、きちんと汲み取ってくれるのか、少し気になります。そのため、ちょっと違った書き方をするのが良いんじゃないかな、と思わなくもないです。

    「もっともな話だな、と相模は胸中で呟く。自分に実戦経験はないが、部下や民間人に死傷者が出た場合、どうしたらよいのかについて悩んでしまうのは自衛官の性だろう」
     ここはよく分かりませんでした。深海に沈んだ高校生たちを助けるという話のはずですから、「部下」は関係ないですし、沈没ではなく着底だと言っているので(そして相模さんは最初から海斗くんたちを海底に送り届ける気だったので)相模さんの認識では死傷者は出ていません。そして、「死傷者が出た場合、どうしたよいのかについて悩んでしまう」とありますが、「どうしたらよいのか」は分かり切っていますよね、救出して治療をしたり遺体を回収したりするべきです。ですから、自衛官はそこに悩まないはずです。

    「しかしながら、今回は勝手が大きく異なる。言い方は悪いが、今の自分には『黒幕』がついているのだ」
    →「バック」あるいは「後ろ盾」。
     辞書によると「黒幕」は「⦅歌舞伎で使う黒い幕の意から⦆自分は表面に出ず、かげで計画し、指図する人」を指すので、これ自体が悪い意味だとは断定できませんが、自分が従っている人間のことを「黒幕」と呼ぶのは違和感があります。「バック」や「後ろ盾」の肯定的なイメージが気になるなら、もっとストレートに「今の自分は、ある人物の指示に従って動いている」といった表現を検討しても良いと思います。

    「意を決して、瞼を空ける。最初は焦点が合わなかったが、それでもここが漆黒の海底ではないことは察せられた」
    →「瞼を開ける」

    「海斗は立ち上がりつつ、その灯りを頼りに状況を確認した。この構造物は、やや広い通路状になっている」
    →「この構造物は、やや広い通路のようになっている」
     修正案ではそのまま残していますが、「やや広い」というのは何を念頭に置いた上でそう言っているのか分かりませんでした。この後、イカの大きさがどれくらいとか、イカとの距離が何メートルくらいだといった話が出てくるので、通路の広さや奥行きについてもそういう具体的な言い方をしてしまって良いと思います。

    「壁や天井からは時折水がしみ出してきて、それが先ほどの水滴の正体のようだ」
    →「壁や天井から時折しみ出してくる水が、先ほどの水滴の正体のようだ」

    「皆、海斗同様にうつ伏せで、しかし確かに呼吸をしている。負傷者はいないようだ」
     この直後、海斗くんはこの非常事態に三人を起こすのを億劫に感じるわけですが、そんな彼がわざわざ三人に傍に行って一人ひとり呼吸があることを確かめたというのは不自然に思えます。「呼吸をしている」ではなく、「うめき声を漏らしている」とか「もぞもぞと動いている」といった、至近距離でなくても分かる様子から「どうやら生きているようだ」と判断する、という方が自然だと思います。

    「イカだ。真っ白で、透き通る耳を持ったイカだ」
    →「透き通るヒレを持ったイカ」

    「動いているものに興味を示したのだろう、イカは海斗に向けてゆっくりと足を延ばし始めた」
    →「足を伸ばし始めた」

    「今の声は何だ? 『我輩』とか名乗る女性の声だったが……」
    →「幼女の声」
     たしかに幼女も広い意味では「女性」なのですが、一般的には区別して考える人が多いと思います。また、幼女と大人の女性では声や話し方も違うような気がします。


    第3話

    「そんな呑気なことを考えていると、イカは足を数本駆使して通路を曲がり切った。海斗のいる場所からイカの本体まで、距離は約二十メートルといったところか。その前に、十本の足をさばかなければならない」
     「その前に」が何の前なのかよく分かりません。文脈から考えると「イカの足に絡めとられる前に」といった感じかとは思うのですが、それならそれで、イカの本体との距離を気にしているのにイカの足の長さに言及がないのは変な感じがします。

    「いやそれ以前に、こんな重苦しい長剣が、自分に扱い得るのか?」
    →「扱えるのか」
     文法的には間違いではないと思いますが、「扱える」と書いた方がシンプルで読みやすいと思います。

    「そうこうしている間にも、イカは足を伸ばすべく伸縮運動を始めている。チャンスは今しかない」
     ここもよく分かりません。主語と述語の関係から言えば「イカが伸縮(運動)をしている」はずですが、イカの体が伸縮しているのか、足が伸縮しているのか、そもそも足を伸ばすために何かを伸縮させる必要があるのか(足を本格的に伸ばす前のストレッチでしょうか、そこまで頑張って足を伸ばさなくても距離を詰めればよいのでは?)、よく分かりません。
     そして、イカの伸縮運動が海斗くんにとって「今しかない」「チャンス」だという話も、ピンと来ません。イカとの距離が20メートルもあるなら、海斗くんが走り寄った時点で、ストレッチ中だったイカも攻撃態勢に切り替わってしまうのではないでしょうか。

    「息を乱す海斗。武器を手にした以上、こちらから仕掛けるべきなのだろう」
     「武器を手にした」ことと「こちらから仕掛けるべき」はつながらないと思います。武器を手にしていても、相手から攻撃されるのを待ってそれを防いだ方が良い状況もあるはずです。というか、このときも寝ている三人を起こして退避させることが先決ではないかと思ってしまいます。

    「これでは、僕は死ぬ。あの足に締めつけられて、無惨に食い殺されるのだ」
    →「無残に」
     辞書的には「無残」でも「無惨」でも良いとのことなので、間違いではありません。ただ、少し前に小学校のテストで児童たちが「無残」と書くべきところを(『鬼滅の刃』に影響されて)「無惨」と書いてしまって云々ということが話題になったので、「無惨」は間違いと思う読者もいるかもしれません(というか僕はそう思ったのですが、調べてみて間違いではないと知りました)。

    「振り返った華凜に、海斗もまた背後を向く」
    →(「振り返った」を削り)「華凛が声をかけた方を、海斗もまた見る」
     僕の読み違いでなければこのとき海斗くんは「壁に背中を預け」ている状況なので、海斗くんの背後には壁しかないはずです。

    「海斗は咄嗟にうずくまる。すると、パシン、と軽快な音を立てて矢が飛んで行った」
    →「飛んでいった」
     ちょっと微妙なのですが、これも補助動詞だとすれば、ひらがなにするのが無難ということになると思います。

    「ぐちゃり、とも、みしり、ともつかない複雑な音を立てて、イカは思いっきり叩き潰された。臓物が零れ落ち、一瞬で腐臭が漂い始める」
    →「ぐちゃり、とも、みしり、ともつかない不快な音を」。また「臓物が飛び散り」
     イカを金槌で叩いて潰す場面なので、おそらく多種多様なものをいっぺんに潰した感じではないでしょうし、そんなに長い時間が掛かっているわけでもないと思います。音が「複雑」というのはちょっと違う気がしました。修正案は「何とも言い難い音」にすることも考えましたが、直前に擬音語があるので、これもまた違うかな、と思います。

    海斗の台詞「そ、そうだ、僕はこんな剣になんて、触ったこともない」
    →「僕は今まで、剣なんて触ったこともない」
     現に剣を持っている状況なので、「こんな剣に(なんて)触ったこともない」と発言するのは矛盾だと思います。

    「空中にノイズが走る。故障した電子機器のディスプレイのように」
     ノイズは「騒音」という意味の英単語なので、第一義的には聴覚的な意味合いになってしまうと思います。まあ、「ノイズ画面」とか「パソコン画面のノイズ」という言い方もあるようなので、別にいいのかもしれませんが。

    海斗の台詞「うーん……。SQとかでいいんじゃないかな」
    SQの台詞(なっ、なにゆえ⁉)
    海斗「ほら、『セブン・オーシャンズ・クイーン』からイニシャル引っ張ってくれば」
     あらすじを読むにどうやらこれ以後ずっとSQで通すようなので、ツッコミを入れるのも無粋だとは思うのですが、Seven Oceans’ Queenからイニシャルを引っ張ってきたら「SOQ」になるのが自然だと思います。ちなみに、Wikipediaによると「七つの海」は英語でThe Seven Seasと書かれていましたが、現在では「七つの海」に数えられるのはすべて大洋(Ocean)という場合が多いそうです。

    「泰一がおずおずと声を上げた」
    →「おずおずと言った」
     手元の辞書には載っていないのですが、「声を上げる」というのは大きな声を出すという意味合いだと思いますので、「おずおずと」とは合わないと思います。なお、辞書によると「おずおず」は「こわがり、ためらいながら物事をするようす。こわごわ。おそるおそる」です。

    「慌てふためいていて、誰もそちらに目を遣る機会がなかった」
     第1章の本文を読む限り、イカを前にして慌てふためいていたのは海斗くんだけと思います。

    「ゆっくりとその歪んだ空間の境目に手を伸ばす美希。しかし、
    SQの台詞(おおっとぉ! タンマタンマ!)
    美希の台詞『ちょっ、邪魔しないでよSQ!』」
    →「ちょっ、どうしたのよSQ!」
     原文の「邪魔しないでよ」という言い方からは、やりたいことがあったのに妨害されたという心情が推測されますが、美希さんは強いこだわりや決意があって手を伸ばしていたわけではないでしょう。歪んだ空間に触れることを邪魔されて反発するのではなく、SQから突然強い調子で止められて困惑するという表現の方が良いと思います。

    「そこに横臥していたのは、紛れもなく海斗たちの乗ってきた潜水艇だ」
     海斗くんたちの世界の潜水艇が臨海学校に使われるほど一般的なものだとすれば、同じようなデザインの潜水艇が出回っていることも予想されるわけですが、海斗くんはどうして「紛れもなく海斗たちの乗ってきた潜水艇だ」と断定できたのでしょうか。潜水艇は「全方位透明」なわけですから、他の潜水艇と区別する目印があるようにも読めませんし。

    華凛の台詞「SQ……さん? あなた、イージス艦ともお話しできるの?」
    →「イージス艦の方々とも」

    「これだけの人数とこれだけの武装で、このダンジョンとやらを攻略できるのだろうか? いや、攻略せずとも脱出できるのだろうか?」
    →「いや、攻略しないにしても、脱出できるのだろうか?」
     原文のように「攻略せずとも脱出できるのだろうか」と書くと、「攻略せずに脱出したい(=脱出はしたいが攻略したくない)」という意味にも取れると思います。


    第4話

    泰一の台詞「で、取り敢えずこのままの編成でいくのか……?」
    →「で、(取り敢えず)この装備のままでいくのか……?」
     辞書によると「編成」は「〔多くのばらばらになっているものを〕組み立てて1つのまとまった体系をつくること」、「編制」は「個々のものを組み立ててまとまりのある組織体にすること。特に、団体・軍隊を組織すること」です。武器は1人に1つの数しかありませんし、4人+SQという編制に変更の余地があるとなると海斗くんがハブられる未来しか見えないので、編制の話はしない方が良いと思います。

    泰一の台詞「そういう理由なのかよ、美希……」
    美希の台詞「ええ。理由はそれだけじゃないわ。女の子に、そんな大層な武器は似合わない。ねえ華凜、あなたもそう思うでしょ?」
    →「ええ。でも、(理由は)それだけじゃないわ」

    華凛の台詞「そうですわね、わたくしは何でもよかったんですけれど。やっぱり、いざさっきの戦いを見れば合点がいきますわ。長剣は海斗くん、金槌は泰一くんが似合うかしら、って。やっぱり、今各々が手にしている武器がちょうどいいんじゃないかしら」
     ここは、意味が分からないわけではないのですが、話し方も言葉選びもぎこちない感じがします。この場合の話し方や言葉選びというのは、何の情報をどの順番・どの重さで伝えるかということです。「わたくしは何でもよかった」という情報は物語に必要なのか、あるいは華凛はどんな意図があってこの発言をしているのか。「合点がいきます」は直前までの美希の台詞に同意するという意味なのか、海斗が長剣、泰一が金槌を持って戦うことがしっくりくるように見えたという意味なのか、海斗と泰一だけでなく4人が「今各々が手にしている武器」を持つことに運命的なものを感じるという意味なのか。そして、「海斗くんは長剣、泰一くんは金槌」ではなく「長剣は海斗くん、金槌は泰一くん」という語順で言っていることには何か意図があるのか。うかつに手を出せない感じがするので、岩井さんの方で何かしらご検討ください。

    美希の台詞「海斗くんは慎重だし、あたしたちには思いつかないことを考えてくれてるような気がするから」
     文法ではないのですが、海斗くんが慎重で信用できると美希が考えるような根拠が今までの描写にあったのか疑問に思いました。根暗で引っ込み思案だと思われていそうな感じはしますが、だからといって慎重だとか物事をよく考えているとは限りませんし、イカを前にしてビビりまくっていたわけですから冷静さも期待できないと、傍から見ている美希は思うところじゃないでしょうか。また、「あたしたちには思いつかないようなことを考えてくれてるような気がする」というのも、随分ふわっとした話に思えます。自分たちがわけの分からない「ダンジョン」に放り込まれて何だかよく分からないガイド役(SQ)と何だかよく分からない装備の力に頼らざるを得ない、一歩間違えれば死ぬかも、という状況なのに、重要なことを「何となく」で決めてしまって良いのでしょうか。

    「父さん、あなたに課せられた任務はこんな感じのものだったのだろうか?」
    →「あなたが課せられた」
     原文のように「○○に課された任務」という形だと「誰が誰に任務を課したのか」が分かりにくいので、解釈が分かれないようにした方が良いと思います。

    「確かに、イカに最初に斬撃を加えた華凜の戦闘力には驚かされた。お嬢様だからこそ、護身術に長けているということか」
     泰一くんと美希さんは装備を手に取ったら体が勝手に動いたというようなことを言っていたのに対し、華凛さんは自己申告で「あれは自分の実力だった」と言っている状況なわけですが、どうして海斗くんはその話を鵜呑みにして「あれは装備の力が加わっていない、純粋に華凛自身の戦闘力なんだ」と思うんでしょうか。というか、第2章以降に明かされるとは思いますが、泰一くんと美希さんは体が勝手に動いたと言っているのに、自分は剣を握っても何も感じなかったという点に海斗くんはどうして危機感を抱かないんでしょうか。さらに、まるでダンジョンに来るために準備してきたかのような華凛の「護身術」と、彼女の冷静な言動を目の当たりにしているのに、どうして海斗くんは華凛さんが何か知ってそうだという疑いの目を向けないのでしょうか。

    海斗の台詞「今はからかわないでくれ。SQは臨機応変に、皆の援護を頼むよ」
    SQの台詞(はは。我輩に意見するとは……。了解だ。任せておくがいい)
     直後に「そう言えば、SQは戦力としてカウントしてもいいのだろうか?」とありますが、これだけで片づけていい問題とは思えません。ダンジョンや冒険が大好きなWeb小説に話を限るにしても、ダンジョンを管理している立場の存在(人間あるいは神的な何か)が冒険者のダンジョン攻略を全面的に支援するというケースは珍しいと思います。というか、全面的に支援するくらいなら最初からダンジョンなんか作らなければいいのに、と僕なんかは思ってしまうんですよね。

    「まったく、こんな作戦に駆り出されるとは。しかもこの作戦、一ヶ月前になって急に下令されたものなのだ」
    →「急に通達されたもの」
     「下令」という言葉から意味を想像するのは難しくないのですが、手元の辞書には載ってないんですよね。ネットで検索すれば出てくるのですが、中国語だとの解説もあって、一般的な日本語と言ってよいのかよく分かりません。もちろん、自衛隊では普通に使われていそうですし、分かりづらくはないので、別にいいと思いますが。

    「彼を追って廊下を駆け出そうとした池波は、しかしすぐに下士官二人に道を塞がれてしまった。二人共、自分より頭二つ分は背が高い」
    →「池波より頭二つ分は」

    下士官の台詞「こちらは機密区画になります。隊員の中でも、安易に立ち入りが許可される場所ではありません。増してやあなたは外部の人間です。一旦お部屋にお戻りください」
    →「こちらは機密区画です」。また、「仮に隊員であっても」。また、「ましてや」
     辞書によると「ましてや」は「況してや」が正しいそうです。ネットでは「増してや」でも良いとの記述がありますが、ひらがなにするのが分かりやすく無難だと思います。


     長文、失礼しました。
     このコメント自体に誤字脱字や、分かりにくい箇所、誤解を招く表現があったらすみません。
     このコメントは、第3話に対するコメントで第4話のネタバレを含んでいますし、批判的なコメントの文字数が多くなっているので、ご確認いただいた後は削除してくださって構いません。


  • 編集済

    第3話への応援コメント


     お待たせしました。
     岩井さんのご要望により、本作の第1章を読んだ率直な感想をお送りします。
     最初に申し上げておかねばなりませんが、ここ数週間ほど、僕はなろう系作品を酷評するレビュワーの動画を聞きながら過ごしているので、その口調が伝染して前回よりさらに辛口が激しくなっているかもしれません。どれだけひどい言い方に聞こえても、僕自身には本作を貶す意図はありませんので、あらかじめご了承ください。

     第1章の文字数はだいたい1万5000字ですね。4話から構成されていることを考えれば妥当な文字数でしょう。作品を批評するのに最初の1万5000字しか読んでいないのは少ないという話にはなりますが、一旦ここで感想を書かせていただきます。
     話としては、海斗くんたちがとりあえずダンジョン攻略に向けて動き始めるところで一区切り、ですね。この物語を現代ファンタジーと捉えるならこれも妥当なところでしょう。ただ、本作のジャンルが分類の通りSFということになると、途中で話がSFに戻るのか、という点に疑問が残ります。まあ、「全方位透明」な潜水艇が出てくる時点で、「現代」ではないので、「現代ファンタジー」というジャンルに入れられなくて「SF」ということにしたのかな、という気もしなくはないです。とはいえ、カクヨムに限らずこういうジャンル分けは要するに「○○というジャンルを読みたがっている読者に届けたい」という話なので、このままゲーム的・ファンタジー的な話が続くなら「現代ファンタジー」にしてしまっても良いと思います。

     まずは本作の良いところから挙げていきましょうか。
     第1話冒頭、作品の入り方が後々の主人公たちの運命を暗示しているのは良いと思います。深海の闇と水圧に負けじと輝きを放つ潜水艇の光が、ダンジョンという困難に立ち向かう海斗くんたちの未来を暗示しているように読めます。ただ、難癖のようになりますが、「全方位透明」の潜水艇に4人の乗組員がいるのに光が2つだけというのは、設定としては不自然な気がしなくもないです。
     それから、『She Loves You...Absolutely』へのコメントでは文体が堅いという話をしましたが、今回は作品の雰囲気に合った文体だと思います。それぞれのエピソードも特に冗長だという感じはしませんし、全体的に見れば、それぞれの話で何を描きたいか分かりやすいと思います。
     第1章というひとつの区切りで、作品全体の着地点が見えているのも大きな特長と言って良いと思います。ファンタジー系のWeb小説だと、主人公たちが最終的にどんな事柄の達成を目指しているのか分からない場合も多いわけですが、本作の場合はダンジョンの最奥部に到達して海上に戻ることが目的ということが示されていますから、そこは良い点だと思います。
     作品全体のテーマから言っても、主人公のキャラクター性が「ごく普通の高校生」などと片づけられることなく、明らかに何かの問題を抱えていると示されているのは良いと思います。イカに対して、他の3人が勇敢に立ち向かう一方で主人公がビビりまくっている、つまり本作では主人公が他の3人に比べて優れた人物という位置づけにはなっていないわけですから、4人+1人(SQ)でダンジョンを踏破するとなれば絶対に何か起きますよね。ダンジョンを踏破していく中で主人公や他の3人がどう変化するのかということが本作の肝になるのかな、と思います。

     さて、それではツッコミどころ(だと感じた部分)の話をしていきましょうか。
     僕自身、岩井さんの作品を読ませてもらい、その感想を考えながら新たな気付きを貰っているという状況ですし、僕自身の小説もそうなっていないのであまり偉そうに言えないのですが、率直に、辛口になるのも気にせずに申し上げますと、第1章として区切るからには読者が作品に興味を持つための要素をもう少し入れてほしい、と思いました(個人の感想です)。
     まあ、既にファンがついている作品のようですから、僕が第1章しか読まずにとやかく言っても仕方ないのですが。
     読者が作品に興味を持つための要素とは、たとえば、作品の世界観、魔法や社会制度の設定、登場人物の性格、主人公との距離感や関係、作品としてのテーマなどです。こういった点から見たとき、本作の第1章に、明らかに人を引きつけるもの、明らかに人の好奇心を刺激するもの、明らかに人の心を掴んで離さないものがあるかと言われると、ちょっと疑問です。
     もちろん、海斗くんのキャラクターとしての複雑さが、本作のオリジナリティなのだろうとは思います。ですが、その点をもって読者が海斗くんに感情移入したり、海斗くんを魅力的な人物だと思ったり、海斗くんを応援したくなったりするかと言われると、微妙な気がします。というか、少なくとも、本作の第1章しか読んでいない状況ではあまりにも突拍子がないと感じる点がいくつかあるので、そのせいで海斗くんの魅力が伝わってこない、と言った方が良いかもしれません。

     海斗くんの言動で僕が最も気になったのは、他の3人に対して自分が先陣を切ると宣言する場面……ではなく、巨大なイカに遭遇して命の危機を感じたのに、気絶しているはずの他の3人を起こそうとしない場面です。最近だと、アニメ化される作品の主人公であっても自分の得になることがないと他人を助けない節がありますが、基本的に、まともな倫理観を持っている人間であれば、命の危機に直面している人を見かけて、自分が彼ら彼女らを助けられるかもしれない立場なら、あれこれ考える前にとりあえず助けようと動くものです。
     岩井さんの感覚を疑うわけではありませんが、一応例を挙げておきますと、たとえば、ジブリ映画の『となりのトトロ』では、メイちゃんが行方不明になって池で溺死したかもしれないという話になったとき、近所の男性たちが総出でメイちゃんの捜索と救出に尽力してくれます。ですが、メイちゃんの姉のサツキちゃんが彼らに謝ったりお礼を言ったりするシーンは描かれていません。人として当たり前の行動だからです。また、同じくジブリの『猫の恩返し』には主人公の女の子が車に撥ねられそうな猫を助けるシーンがありますが、あれは主人公が無茶をするシーンという位置づけであって、彼女がたぐいまれな善人であることが示されるシーンではありません。その証拠にと言っては何ですが、目撃した友人も、無茶を咎めてはいても、あれは善行だったと殊更に称賛することはしていません。ジブリ映画以外にしても、よほど打算的、あるいは冷淡だったり、薄情だったり、臆病だったり、自分の生活で手一杯になっていたりするという描写がない限り、助けられるはずの人を助けずに放置するということはないと思います。
     それに加えて、仮にWeb小説では打算的に動く主人公の方が小市民的な感じがして共感を得られるにしても、主人公をそういう設定にしない方が(つまり、あれこれ考える前に人を助けてしまう人物として設定した方が)、作品の求心力は上がるんじゃないかと思います。本作で言えば、いくら巨大イカを前にして命の危機を感じているにしても、自分のことで頭がいっぱいになって気絶している他の3人を放置し続ける主人公より、イカの接近を感じた瞬間に他の3人を叩き起こす主人公の方が、物語の続きを読もうという気になる読者は多いのではないでしょうか。百歩譲って、巨大イカが目と鼻の先にいる状況で、3人に駆け寄って起こして回る余裕がなかったとしても、せめて「無防備な3人を守らなければ」と、ちらりとでも思う描写が欲しかったと思います。

     で、このことにも関係するのですが、本作の第1章を読んだ限りでは、「話の進むべき方向」よりも「作者さんが話を進めたい方向」が優先されているように感じました。

     まず気になるのは「どうして高校の臨海学校で生徒を深海に潜らせる必要があるのか」ということです。
     僕も深海の生態系に詳しいわけではないですが、聞いた話では深海で生き物に接触する可能性ってかなり低くて、だからこそ深海魚たちは見つけた獲物や交尾の相手を逃さないために色々進化を遂げてきたそうです(チョウチンアンコウが光を放つのもそのためだそうです)。だとすれば、わざわざ潜水艇で潜っても何も見えない時間の方が長いわけです。深海なんかに行かずに浅瀬を潜らせた方が、高校生たちの知的好奇心と学習意欲を刺激するのには役立つでしょう。
     仮に、この潜水の目的が深海の地形や生き物を見せることだとしても、どうして4人という少人数に対してわざわざ1つの潜水艇を用意するのか、1つの潜水艇が4人しか乗れない大きさならどうしてそんなコストをかけてまでこんな実習をしているのか、そして、どうして解説役や潜水艇の操縦役として大人が付き添わないのかという疑問が湧きます。「高校生はもう大人みたいなものだから」と思うかもしれませんが、高校生だけで潜水艇に乗せて操縦や操作を誤る事態になれば、それこそ本文中で言われているように「誰が責任を取るのか」という話になります。もちろん、物語を見れば、主人公たち4人をダンジョンに送り込みたいという意図が相模さんたち「大人」にあったのだと分かるのですが、主人公や引率の先生たちがそこに何の疑問も持たないとすれば、それは作品の不備だと言わざるを得ないと思います。

     次にですが、イージス艦の艦長である相模さんの言動がよく分かりませんね。海斗くんたちの潜水艇を海底に沈めることを最初から意図していたようですが、次から次に疑問が湧きます。どうして臨海学校の授業をイージス艦で行うのか(臨海学校には他の船を参加させておいて、主人公たちが海底に沈むタイミングに合わせてイージス艦を接近させるのではいけなかったのか)、どうして臨海学校ごときにイージス艦が出動することに誰も疑問を抱かなかったのか、「国家機密レベルの作戦」(=国家安全保障にとってそれだけ重要な作戦)を遂行するというのにどうして民間人の池波先生をイージス艦に同乗させてしまったのか、どうして艦橋にまで立ち入らせているのか、どうしてその時々の状況をバカ正直に池波先生に伝えてしまうのか、池波先生が教育熱心な人ではないにしても先生や保護者に知られれば責任を問われることは明らかだったはずなのにどうして言い訳を事前に考えていないのか、そもそも、池波先生はともかく、どうして当事者となる主人公たち、あるいは4人の内の誰にも事情を説明していないのか……。僕が読んでいない第2章以降で補足が入ったり事情が明かされたりするのかもしれませんが、Web小説は基本的にアマチュアによる小説であり、読者の方々は書き手のことを信用していないと考えられますから、こういう「不備に見えるところ」は、なるべく早く潰しておいた方が良いと思います。
     さらに、相模さんについては人間性も気になりました。深海に沈んだ生徒たちを心配する池波先生を煙たがりながら「責任」という言葉に反応している節がありますが、池波先生に言われるまでそこに考えが及ばないような人間がどうして自衛官になったんでしょうか。別に自衛官はみんな慈愛の心にあふれた聖人のはずだとは言いませんが、ベトナム戦争やアフガニスタン・イラク戦争をやってた頃のアメリカではないので、生活に困って他に行き場がなくて自衛官になったというわけじゃないと思うんですよ。イージス艦の艦長をやってるくらいですからそれなりにインテリでしょうし、だとすれば自衛官以外にも選択肢はあったと思いますし。こういう点から言っても、状況から考えて真っ当なことしか言っていない池波先生を冷たくあしらうという人物設定はあまり説得力がない気がします。
     岩井さんが意図して、相模さんを自衛官にしては薄情で冷淡な人物として描いているのならそれでも構いませんが、だとすれば、相模さんには相模さんなりに信じる正義があってそのためには見ず知らずの子供が数人死ぬくらい何とも思っていないとか、話を聞いている他の自衛官が相模さんに代わって池波先生をなだめようとするとか、相模さんの不誠実な対応に他の自衛官あるいは地の文からツッコミが入るといった描写があった方が良いのではないかと思います。

     全体的な疑問点の話はこれで最後にしますが、イカを倒した後、海斗くんたちがダンジョンを攻略することに前向きなのも引っかかりました。ライトノベル的な描写にはなるのですが、4人の誰かがゲーム好きだったり異世界転生もののWeb小説やマンガが好きだったりして「お、これは物語で見た展開だな!」とでも言ってくれるなら、「本作はそういう作品なんだな」と割り切れたところですが、そういう前振りがないにしては妙に冷静な反応だな、と思いました。
     僕個人の感覚を「普通」などと、まるで一般的なものであるかのように言うつもりはありませんが、それでもあえて僕の率直に思うところを言わせてもらえば、「深海にダンジョンがあって、いちばん奥に行かないと海上に上がれない」と言われたら、普通、まともに反応できないと思います。そして、真っ先に出てくる疑問は、「どうしてそんなTVゲームみたいなことになってんの?」だと思います。
     普段からなろう系作品に触れている読者は気にしないかもしれませんが、一度冷静になってみてください。ダンジョンは本来「地下牢」という意味ですが、仮にゲームやなろう系作品で言われている「迷宮」と解釈するとします。歴史上、最も古く有名な迷宮はミノタウロスの迷宮ですが、あれはクノッソス宮殿が豪奢な造りだったことに由来する伝説であって、実際にそういう地下迷宮が存在したわけではありません。当たり前の話なんですが、人を迷わせたり適度にドロップアイテムを拾わせたりすることだけを目的とした施設を作る意味なんて本来どこにもないんです。ですから、迷宮なんてものはゲームの世界にしか存在しません。百歩譲って「財宝が隠された、しかし今は魔物が巣くう古代遺跡」なら、ゲーム的な迷宮よりは説得力があるかもしれませんが、それにしたって都合よく最奥部にだけワープポイントが設置されているなんてことはないはずです。
     いや、主人公たちがそういう迷宮や古代遺跡に放り込まれるという設定であっても、別に構わないのです。しかし、僕が疑問なのは、ダンジョンがない現実世界から迷い込んだはずの主人公たちが、どうして「ダンジョン」だの「攻略するほかに海上に出る手段はない」だのといった話をすぐに理解するのか、どうして自分の理解についてSQにも他の3人にも確認をとらないのか、どうしてみんなそろってそんな話を素直に前向きに受け止めるのかということです。ダンジョンとはそもそも何なのか、誰がいつ何の目的で作ったのか、どんな人が来ることを想定してどんな防犯装置(罠)を設置したのか、どうして魔物が巣くうようになったのか、どのくらいの魔物がいると想定されるのか、この世界には他にもこのようなダンジョンがあるのか……そういったことについて、誰かひとりくらい気にしてSQに問いかけるのが自然じゃないでしょうか。というか、そういうことがはっきりしない内は、ダンジョンの中を進もうとか、ダンジョンを攻略しようとかいった話にならないと思います。

     それから、贅沢を言うなら、主人公と一緒にダンジョンに送り込まれた3人の魅力が、第1章の時点ではほとんど描かれていないのも気になりました(性格についてはほのめかされていますが、それを魅力だと受け取るのは難しい印象です)。とはいえ、物語が始まってまだ1万5000字で、話としては始まったばかりでしょうから、そこは仕方ないかと思います。

     それでは、細かいところについて失礼します。

    第1話
    「こんな極限状態でも、環境に適応した生物はしっかりと生態系に根差している」
    →「こんな極限状態でも、生物はしっかりと環境に適応して生きている」
     辞書によると「生態系」は「動植物と、それらに影響を与える環境とからなる、自然のしくみ」。「根ざす」は「植物の根が地中に張る」、「動かぬものとなる。定着する」、「もとづく。基因する。由来する」。これらを残すなら「生態系に根差して生きている」になると思います。ただ、これは直前の「環境に適応する」という記述と情報が重複するので、どちらかだけで良いと思います。

    「そして彼を諫めようとしているのは、紺野美希」
    →「彼を諫めたのは」
     辞書によると「諫める」とは「〔多く目上の人に対して〕不正や欠点などを改めるように言う。忠告する」。つまり、この状況で美希さんは泰一くんを実際に諫めているので、過去の動作として良いと思います。

    「この潜水艇――全方位透明の、しかし超耐圧仕様がなされた最新型深海探査艇――には、あと二人の乗員がいる」
    →「全方位透明の、それでいて超耐圧設計の最新型深海探査艇」
     僕としては「超耐圧仕様です」などの言い方をしても良い気がしますが、辞書によると「仕様」は「〔ある物事を行う〕方法。やり方」、「『仕様書き』の略」。「仕様書き」は「やり方の順序を書いた文書」、「注文品の内容や、工事・工作の内容・手順などをくわしく書いた書類」だそうです。ちょっと微妙なので、他の言い方を考えてみました。どちらにしても、「○○仕様がなされた」というのは不自然な言い方だと感じます。あえて残すなら「超耐圧仕様の最新型」あるいは「超耐圧加工が施された最新型」といった具合でしょうか。

    華凛の台詞「そうですわね、美希さん。このあたりは地殻変動が激しいから、地形の変化が流動的であんまり見どころはないようですわ」
    →「地形の変化が頻繁であんまり見どころは」
     ここでは変化が多いことを流動的と言っているのでしょうから、「変化が流動的」では情報が重複します。

    「しかし、今の海斗は当時の、父親が健在だった頃の海斗とは明らかに違う。どう違うのか言ってみろと尋ねられては困るのだが、不愛想になった自覚は本人にもある。/だが、どうやらその度合いは自分で思っているより酷い」
     三人称の語りの難しいところですね。「どうして違うのか言ってみろと尋ねられては困るのだが」とありますが、「尋ねられて困る」のは地の文の語り手(=作者、岩井さん)なのか海斗くんなのか、よく分かりません。語り手だとすれば、いわゆる神の視点から物語全体を見ているはずなのにどうしてそこだけ把握できないのか、海斗くんだとすれば、誰からそんなことを尋ねられると想定しているのかという疑問が出てきます。
     また、「どう違うのか」は分からないものの「不愛想になった自覚は本人にもある」というのは変だと思います。単に「父親が健在だった頃と比べて不愛想になった」と書けば済む話のはずです。「不愛想になった以外にも色々と変わってしまった」、「別人のように変わってしまった。特に、明らかに不愛想になった。そのことは本人も自覚していた(が、実際には海斗が自分で思っているよりもっと酷かった)」というニュアンスなら、それが分かるような書き方をした方が良いと思います。

    「やがて潜水艇は凄まじい振動に見舞われ、硬質な何かに衝突したかのような振動を伴って停止した」
     これ以前に「潜水艇が、ぐるんぐるんと不規則に、そして乱暴に振り回され始めた」とあることから考えれば、「やがて」と言うより先に潜水艇は振動していたと思います。

  • 第17話への応援コメント

    感想が遅くなりました。
    企画 辛口読み合いから来ました。
    わたしは「無敵のあなたへ」で企画参加しています。

    普段読みなれているジャンルと異なるので、わたしのツッコミ内容は無視していただいても結構です。
    ・各自のトラウマの開示は映画ブレックファストクラブのようで好みです。が、会話内では開示しただけにとどまっている印象なのにその後話したことによってチームワークが良くなるのは少し変だと感じました。

    また、次は自分の番、のようなことを言って話始める登場人物も不自然だと感じました。
    ダンジョンのような設定を盛り込むなら、「自己開示の深さが強さになる」くらいのルール説明しても良いかも知れません。


    ・学校の先生と自衛官のやり取りは、「先生が問いただす⇨自衛官が塩対応しつつ心の中で煩悶する」というのを何度もやっていて、尺稼ぎのように感じました。
    とは言え、長く続けることでファンを得る方針もあると思うので、その方針ならよいと思います。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます! また、ご多忙のところご批評いただき、重ね重ね御礼申し上げます。
    やはり、『カク』欲求を優先して突っ走ったのは失策でしたね(当然)。

    ご提案いただいたアイディアに、深く感銘を受けております。ダンジョンのルール設定と、遣り取り内容が被りすぎないようにすること、この二点に注目しております。

    ありがとうございました!<(_ _)>

  • 第17話への応援コメント

    池波ちゃんも何やら過去を持っている様子ですね。

    作者からの返信

    仰る通りでございます(^^)/ さて、ありきたりでないようにするには、どう仕掛けたらよいか……。よい意味で悩まされております(笑)

  • 第15話【第四章】への応援コメント

    相模艦長、子供を生贄にしないちゃんとしたOTONAになるのに遅すぎることは無いと思いますぞ。

    作者からの返信

    相模さんは「大人側の」悩む人ですね。彼が今後、どんな行動に出るのかお楽しみということで(^^;

  • 第14話への応援コメント

    やはり池波ちゃんは女マクレーンでしたか。
    すっかり、
    一般人×
    逸般人〇
    スパイ行為で前科一犯人◎
    ですね。

    作者からの返信

    「やってしまえばどうにかなるものさ」by.クワトロ・バジーナ@『機動戦士Ζガンダム』

  • 第12話への応援コメント

    池波ちゃんの手際が偶然テロの現場に居合わせたブルース・ウィリス並みなのはなんらかの伏線でしょうか。

    作者からの返信

    それも池波先生の描き込み次第ですね~。ただ、やっぱり偶然性は否定しきれないかと(^υ^)

  • 第9話への応援コメント

    前話で三枚おろしなどとコメントしていたら来ましたね。キタ――(゚∀゚)――!!って感じでした。

    海の上も緊迫してきました。池波先生なかなか好きなキャラです。

    『レンチ(そのへんにおちていた)』おいこら海自備品の管理てめぇこのやろー。

    作者からの返信

    いいでしょう、池波先生(笑)
    少しでいいので、彼女の過去にも触れてあげたいものです。

  • 第8話への応援コメント

    『魚をさばき始めた。』という最後のところで「このエビ野郎今夜のおかずになりにきやがったか」「三枚に下ろしてやるぜサンマ共」的なことを言うキャラがいると面白いなと思ってしまいました。

    作者からの返信

    「来いよ蟹野郎、不味そうだが相手してやるぜ」by.バトー@『イノセンス』

    キャー、大塚明夫サーン(^^)/
    緊張感の演出によって、ご意見を採用するか否かが代わりますが(笑)

  • 第7話への応援コメント

    よく巨大な多脚生物となんて戦えますね彼ら、クトゥルフと戦っているようなものでしょう、マジ勇者です。

    作者からの返信

    ここはもう少し戸惑いを入れた方がいいですね。いずれにせよ、戦ってもらわないとお話にならないので(汗

  • 第6話への応援コメント

    泰一はパーティの壁役には適任ですね。

    どうにも無神経そうな黒幕キャラの老人が出てきましたが、上には上がいるという予感もします。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!
    泰一は壁というか盾になりますね。せっかくの群像劇なので、相模艦長『よりも上』にご登場願いました(笑)

  • 第4話への応援コメント

    ダンジョンが入る人間を選ぶってもう完全に人類の叡智を超えた存在が裏で糸引いてるやつじゃないですか。

    作者からの返信

    もしお時間ございましたら、ご高覧続けていただけると「あー、そういうやつね、はいはい」とでもなろうかと(笑)


  • 編集済

    第3話への応援コメント

    陰謀じゃない、不思議なダンジョンだこれ!!

    作者からの返信

    いろいろと仕掛けはしているのですが、それがどれだけ「岩井の進化」になっているかは怪しいところですね。はい(断言

  • 第2話への応援コメント

    また何やらふて腐れた少年が陰謀に巻き込まれたのか。もはやジュブナイルな物語では定番ですね。

    作者からの返信

    ご無沙汰しております(^^)/
    確かに岩井ワールドになっちゃってますね、このノリは(滝汗
    過去に何かあるぞ、ということで現在を浮き彫りにしようとするとどうしても……という言い訳は見苦しいですね。取り敢えず、三人称でできるだけのことはやっていこうかと(^^;

  • 第11話への応援コメント

    成る程、アトランティスと来ましたか!
    あれはあったかなかったかと議論されるものですが、現在残る国々の中にはそのアトランティス大陸の一部を示すものもあるらしいですね。
    途方もない計画の結果ですが、これが海上にいる彼らの目的とどう関係するのか楽しみです!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    海底? ダンジョンやってみる? アトランティスやっちゃう~? みたいなノリでご登場願いました(笑)
    海上でも結構動きます。しばしお待ちを!(^^)!


  • 編集済

    第5話【第二章】への応援コメント

    地震が好きな人間なんて~のくだりで、ブッて笑ってしまいました

    追記:本当にすみません。不謹慎でした。様々な思いをしてる方たちのことを考えると笑い事じゃないですよね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。
    そうですね~、そのあたりは発言者様の倫理観に頼る部分が大きいです。

    きちんと追記なされたという意味では、うなぎさんに非はないと思いますが……。

  • 第5話【第二章】への応援コメント

    ここからみんなの過去話でしょうか?
    色々なものをかかえていそうですね……。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!
    いっぺんに過去話では皆さん肩がこると思うので(笑)、そのあたりのバランスは考えます( ..)φ

  • 第1話【第一章】への応援コメント

    新作投稿開始ですね!
    ぼっちを選んだ高校生男子と、仲間たちがどうなっていくのか楽しみにしております(*^^*)

    作者からの返信

    早速のコメント、ありがとうございます!
    海斗くんが何故ぼっちになったのか、他の連中はどうなのか、ご覧いただければと存じます!(^^)/