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2021年10月10日 01:52 編集済
すみません、続きを読ませていただきたいと言っておきながら、投稿からずいぶん間が空きましたね。 ここしばらく、紙の小説をまともに読めない日が多かったのですが、この1週間ほどは久々に紙の本(クラークのSFなど)を読んでいました。そして、そっちに夢中になっていました。すみません。 第4章を読ませていただきました。 物語も終盤かと思われたこの状況から新たな謎を出して次の第5章につなげるのは、すなおに言って興味を引かれる展開だと思います。華凛さんの過去の話は途中でぶった切られましたが、まだ色々ありそうな感じがしますね。また、相模さんや遠山さんはともかく、池波先生や他の生徒、他の自衛官の方々のことは心配になります。まあ、仮にイージス艦が沈んでも、あれをああすれば少なくとも生徒は助かりそうな気がしますが。 前回も不備に見える箇所を取り上げたので、追い打ちのようにはなるのですが、今回もいくつか言及させていただきます。 おそらく推敲の過程で原稿に混乱が生じたせいだと思うのですが、第19話、「発光現象」のくだりがよく分かりませんでした。海斗くんが「きっと、あれがワープポイントなのだろう」と思った直後、なぜか、魔法陣が機能しなくなったとしか読めない展開になっています。何か記述が抜け落ちてないでしょうか? SQに武器を放棄するように言われた華凛さんがすなおに武器を手放すのも気にはなりますが、抜け落ちた場面が埋められれば経緯が明らかになりそうなので、それは良しとしましょう。 ただ、頑なに事情を話さないままここまで来て、ワープポイントが損なわれた状況でSQに「一思いにやってくれ」と言った(事情を話さないまま死のうとした)華凛さんが、美希さん(訓練も受けていない女子高生)に殴られた程度で自分の過去を話すようになる経緯は、ちょっと想像がつきません。美希さんは「華凜の正体がはっきりすれば、あたしたちが帰還できる可能性はまだあるのよ」と言っていますが、額面通りに受け取るなら華凛さんのことを考えているようには思えないので、華凛さんが美希さんに心を動かされたわけでもなさそうです。ダンジョンを脱出する糸口を探すためだけに事情を話し始めたのだとすると、華凛さんの「黒幕」やその目的の話をすれば済むはず(少なくとも華凛さんの立場なら一旦はそう考えるはず)なので、彼女の生い立ちや父親の話は不要でしょうし……。 また、これは不備ではなく物語上の演出という気もするのですが、華凛さんが情緒不安定に見えるのも気になりました。海斗くんたちの前でお嬢様キャラを作っていた理由は(この時点では)よく分からないのですが、とにもかくにも生命の危機という極限状態で自分の性格を隠し続けていたのですから、本来は精神力が強く、感情を表に出さない振る舞いを心得ているはずです。その割に、美希さんを人質にとった場面以降、ずいぶん余裕がなくなったな、という気がします。 まあ、これは彼女の人間性と読むべきかもしれませんし、基本的にはそういう読み方もできるとは思います。素性を偽っているにしてもおそらく10代後半、年上でもせいぜい20代でしょうし、「(年の近い)海斗たちに心を開きたい、事情をぶちまけて分かってもらいたい、本当の意味で友達になりたい」と本心では思っているのかもしれませんね。 ただ、唐突に出てきた「遠藤睦」という名前は、本来隠し通さないといけないものだったんじゃないかという気配がプンプンします。また、ドラゴンが暴れ始めてから体育座りで震えているというのは、率直に言って彼女らしくないように見えました。 長文失礼しました。 批判的な評価をするとき、具体的な根拠を示そうとすると、ポジティブな評価よりもどうしても文字数が多くなってしまうのは、僕も申し訳なく思っています。 本作は特に、登場人物たちが目に見えて成長したりチームとして結束していったりするというよりは、それぞれが抱える過去の問題が徐々に明かされていく(明らかにすることでそれぞれが自身の過去と向き合い、チームに対して誠意と信頼を示そうとする)ことに重点があるので、物語が終わってみないと「この人物が魅力的で……」、「このときの心理描写が秀逸で……」という話をしにくいという事情もありますね。 もちろん、このことは本作の短所ではありません。むしろ長所だと思います。主人公の周辺の登場人物たちがそれぞれに悩みや葛藤を抱えていることをきちんと描いている小説は、Web小説の冒険ものだと珍しい気がします(僕もそこまで詳しくはないですが)。 さて、第5章以降のことなのですが、僕としてはなるべく物語がまとまりを持った状態で読んでいきたいですし、こう言っては何ですが、紙の本を読めるコンディションの内にそれを習慣にしたいとも思っていますので、続きを読むのは第5章がすべて掲載されてからにさせていただきたいと思っています。 不誠実な読者で申し訳ないですが、話の途中で待たされると居ても立っても居られなくなる性分なので、ご容赦いただけると幸いです。
作者からの返信
毎度のことながら、熱いご批評を下さり、本当にありがとうございます(^^)/「あっ! 違います! そこはこれこれこういうわけで……!」という塩梅で、修正点(頭にあるけど表現しきれていない点)は多々ありますね。そしてそもそも思いつかなかった、登場人物の設定と言動の嚙み合わなさ。こればかりは、もはやあじさいさんに土下座してもしきれません<(_ _)>不誠実だなんてとんでもない! どれほどのことを学ばせていただいているか、『言葉にできない』レベルです(最近、小田和正聞いてないなあ)。余談ですが、個人的にクラークの作品では『2010年宇宙の旅』が一番好きです。映画で言えば、そりゃあ『2001年~』ですけれども。あれほど文学的でありながら、映像に酔いしれる作品を僕は知りません。さて、今日も(UPできるかどうかは別として)頑張ります(^^)
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すみません、続きを読ませていただきたいと言っておきながら、投稿からずいぶん間が空きましたね。
ここしばらく、紙の小説をまともに読めない日が多かったのですが、この1週間ほどは久々に紙の本(クラークのSFなど)を読んでいました。そして、そっちに夢中になっていました。すみません。
第4章を読ませていただきました。
物語も終盤かと思われたこの状況から新たな謎を出して次の第5章につなげるのは、すなおに言って興味を引かれる展開だと思います。華凛さんの過去の話は途中でぶった切られましたが、まだ色々ありそうな感じがしますね。また、相模さんや遠山さんはともかく、池波先生や他の生徒、他の自衛官の方々のことは心配になります。まあ、仮にイージス艦が沈んでも、あれをああすれば少なくとも生徒は助かりそうな気がしますが。
前回も不備に見える箇所を取り上げたので、追い打ちのようにはなるのですが、今回もいくつか言及させていただきます。
おそらく推敲の過程で原稿に混乱が生じたせいだと思うのですが、第19話、「発光現象」のくだりがよく分かりませんでした。海斗くんが「きっと、あれがワープポイントなのだろう」と思った直後、なぜか、魔法陣が機能しなくなったとしか読めない展開になっています。何か記述が抜け落ちてないでしょうか?
SQに武器を放棄するように言われた華凛さんがすなおに武器を手放すのも気にはなりますが、抜け落ちた場面が埋められれば経緯が明らかになりそうなので、それは良しとしましょう。
ただ、頑なに事情を話さないままここまで来て、ワープポイントが損なわれた状況でSQに「一思いにやってくれ」と言った(事情を話さないまま死のうとした)華凛さんが、美希さん(訓練も受けていない女子高生)に殴られた程度で自分の過去を話すようになる経緯は、ちょっと想像がつきません。美希さんは「華凜の正体がはっきりすれば、あたしたちが帰還できる可能性はまだあるのよ」と言っていますが、額面通りに受け取るなら華凛さんのことを考えているようには思えないので、華凛さんが美希さんに心を動かされたわけでもなさそうです。ダンジョンを脱出する糸口を探すためだけに事情を話し始めたのだとすると、華凛さんの「黒幕」やその目的の話をすれば済むはず(少なくとも華凛さんの立場なら一旦はそう考えるはず)なので、彼女の生い立ちや父親の話は不要でしょうし……。
また、これは不備ではなく物語上の演出という気もするのですが、華凛さんが情緒不安定に見えるのも気になりました。海斗くんたちの前でお嬢様キャラを作っていた理由は(この時点では)よく分からないのですが、とにもかくにも生命の危機という極限状態で自分の性格を隠し続けていたのですから、本来は精神力が強く、感情を表に出さない振る舞いを心得ているはずです。その割に、美希さんを人質にとった場面以降、ずいぶん余裕がなくなったな、という気がします。
まあ、これは彼女の人間性と読むべきかもしれませんし、基本的にはそういう読み方もできるとは思います。素性を偽っているにしてもおそらく10代後半、年上でもせいぜい20代でしょうし、「(年の近い)海斗たちに心を開きたい、事情をぶちまけて分かってもらいたい、本当の意味で友達になりたい」と本心では思っているのかもしれませんね。
ただ、唐突に出てきた「遠藤睦」という名前は、本来隠し通さないといけないものだったんじゃないかという気配がプンプンします。また、ドラゴンが暴れ始めてから体育座りで震えているというのは、率直に言って彼女らしくないように見えました。
長文失礼しました。
批判的な評価をするとき、具体的な根拠を示そうとすると、ポジティブな評価よりもどうしても文字数が多くなってしまうのは、僕も申し訳なく思っています。
本作は特に、登場人物たちが目に見えて成長したりチームとして結束していったりするというよりは、それぞれが抱える過去の問題が徐々に明かされていく(明らかにすることでそれぞれが自身の過去と向き合い、チームに対して誠意と信頼を示そうとする)ことに重点があるので、物語が終わってみないと「この人物が魅力的で……」、「このときの心理描写が秀逸で……」という話をしにくいという事情もありますね。
もちろん、このことは本作の短所ではありません。むしろ長所だと思います。主人公の周辺の登場人物たちがそれぞれに悩みや葛藤を抱えていることをきちんと描いている小説は、Web小説の冒険ものだと珍しい気がします(僕もそこまで詳しくはないですが)。
さて、第5章以降のことなのですが、僕としてはなるべく物語がまとまりを持った状態で読んでいきたいですし、こう言っては何ですが、紙の本を読めるコンディションの内にそれを習慣にしたいとも思っていますので、続きを読むのは第5章がすべて掲載されてからにさせていただきたいと思っています。
不誠実な読者で申し訳ないですが、話の途中で待たされると居ても立っても居られなくなる性分なので、ご容赦いただけると幸いです。
作者からの返信
毎度のことながら、熱いご批評を下さり、本当にありがとうございます(^^)/
「あっ! 違います! そこはこれこれこういうわけで……!」という塩梅で、修正点(頭にあるけど表現しきれていない点)は多々ありますね。
そしてそもそも思いつかなかった、登場人物の設定と言動の嚙み合わなさ。こればかりは、もはやあじさいさんに土下座してもしきれません<(_ _)>
不誠実だなんてとんでもない! どれほどのことを学ばせていただいているか、『言葉にできない』レベルです(最近、小田和正聞いてないなあ)。
余談ですが、個人的にクラークの作品では『2010年宇宙の旅』が一番好きです。映画で言えば、そりゃあ『2001年~』ですけれども。
あれほど文学的でありながら、映像に酔いしれる作品を僕は知りません。
さて、今日も(UPできるかどうかは別として)頑張ります(^^)