精緻な設定と魅力的な人物を圧倒的筆力で描く王道ファンタジー!

大聖堂騎士団の騎士に仕えるタオが、親友のエリュースとともに少女を救うため立ち上がる物語。

タオは騎士に仕える従士として、親友のエリュースとともに人々に危険をもたらす魔物を退治する暮らしを送っていた。
あるとき、ウィスプが大量発生しているという情報がある森の調査に訪れたタオとエリュース。
その森で二人は、妖精に囲まれた白いローブ姿の少女と出会うが……。

冒頭から迫力満点のオーガとの戦いが繰り広げられ、一気に興味を引きつけられました。
オーガとの戦いも、ただ力で勝負するのではなく、事前に張り巡らせておいた罠を使用する頭脳プレーというのが巧いです。

教団や騎士団、世界の設定だけでなく、主人公であるタオの日常も丹念に描かれており、この世界の人々がどのように暮らしているかリアリティを持って描写されています。

本作の特徴は語彙豊かで硬質な文章力です。それでいて読みやすいので、情景が浮かびやすく物語に没頭できます。
迫力のあるバトルだけでなく、穏やかな日常まで緩急のある文章はお見事だと思いました。

実力に裏打ちされた王道ファンタジー。
ぜひその世界観を堪能してください!

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