概要
私がはじめて「意志を持って」「ころした」ひと。
私にその気はないのである。まったくもって、誓っても良い。だが、どういうわけか、私は物心付くまえから、たくさんの生き物を「ころして」いたらしい。
第四回こむら川小説大賞参加作品。お題「異能」。
第四回こむら川小説大賞参加作品。お題「異能」。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!どうにも止めようのない欲望
己の意思とは関係なく、自分に関わった相手を死に導いてしまう人の、あまりにも悲しい恋の物語。
悲劇的な恋を描いた掌編です。いや恋が悲劇的というか、もともと悲劇的な宿命を背負うが故に、恋までもがなお悲劇となってしまう人のお話。
必ず不幸にしてしまうと知りながらも、なお相手を求めることを止められない、その葛藤や苦しみが見事に描かれていました。
とはいえ、ただ悲しく寂しいばかりではない……というか、むしろ終盤に向かうにつれ壮絶さを感じるところが好きです。
彼女が最終的に辿り着いた地点、結局他にどうにもできないが故にそうなるしかなかったという、その事実の残酷さ。
丁寧に恋そのものを描き…続きを読む