剥き出しの自我の、どこか擦り切れるような触り心地

 高校生の少女たちの、日常だったり恋愛だったりの物語。

 すごい。内容をどう説明すればいいやらわからないほど、すっかり圧倒されてしまいました。

 説明文の通り壮絶な展開を含む、というのもあるのですけれど、それ以上にまず本文を読んでいるときの感覚が凄まじい。
 彼女らの認識、平素の心のあり方そのものが、いちいちこちら(読者である自分)の感覚と摩擦を起こしてヒリヒリする感じが本当に最高でした。ただ読んでるだけで面白い……!

 いざ読み終えてみると一貫した展開のようなものを感じるものの、それが読んでいる最中はどこかとりとめもなく感じられた、その主人公の語り口(というか、物事の認識、あるいは主観のあり方)が大好き。
 物語やその都合よりも、彼女個人がきっちり作品の真ん中にいる感覚。

 周囲の友人らや目の前の物事など、それを自分なりに解釈する感覚の、その危うさや不完全さのようなものがもうとにかくたまりません。
 絶妙に遠慮のない感じだったり、何か大事なものをぼろぼろ取りこぼす感覚だったり。なんで読んでてこんなに気持ちいいんだろう……麻薬か……?

 終盤の展開はもう圧巻でした。
 はっきり息苦しい感覚があるのに、でももったいなくて一文一文じっくり読んでしまった、そんな経験は初めてです。
 まだ若干興奮しているためうまく説明できないんですけど、とにかく面白かったです。すごい! 最高! 大好き!

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