変身ヒーローと怪人との戦いのお話。
いわゆるヒーローものとでも言うべき物語です。
悪の怪人の元に駆けつけるも、一歩遅く被害者を助けることの叶わなかった、仮面の戦士の戦いのひと幕。
日曜朝の特撮ものを彷彿とさせる設定でありながら、しかし物語そのものはあくまでも真剣、決して子供向けのわかりやすい空気感ではないところがとても好き。
硬質な文章にハードな展開。全体的にシリアスで暗いトーンを貫いていて、主人公の悲哀や苦悩が浮き立つかのようでした。
分量して1,000文字に満たないワンシーンということもあり、サクッと読めちゃう手軽さも魅力的。
仮面の下に隠された人知れぬ苦悩を、文字を通じて叩きつけてくれる作品でした。