❄ 雪を解いて春を招べ 反省会

 こんにちはこんばんはДоброе утроおはようございます。カラクロです。

 拙作恒例、反省会のお時間がやってまいりました。


 例によってネタバレ上等&どうでもいい作者の自我が出まくり仕様です。本編未読の方はお戻りいただくことをおすすめします。




 ↓




●反省点

・いつになったら主人公に優しくできるの問題

・サブカプ多すぎ

・なぜすぐ決闘するんだ君たちは

・結局差別問題放置してない?

・愛称と本名ぐちゃぐちゃでわけわかんねぇぞ



①主人公に優しくできない

とくに女子。これがず~っとネック。むしろ愛され主人公への苦手意識が年々高まってきた気さえする。

それで「もともと主人公として作ったキャラクターではないリェーチカを主人公にすればあるいは……」と思ったのです、が。

現実は「やっぱり主人公なんだから」で守られちゃダメ、自分の意思で戦え、理由なく好かれるのはNG……いつもの悪癖が出まくってしまいました。


結果、前作『幸福の国の獣たち』の頃の愛され妹キャラはどこかへ消え、いつもの愛と根性のメスゴリラになってしまった……。

初めからそういうキャラとして作った子ならともかく、なんだか本来のリェーチカを否定してしまったような気がして哀しい。

途中から彼女の原型を保つのにわりと必死でした。


唯一ちゃんとできたのは「一見ユーリィのほうが先に惚れたように見える」ことですかね。

実際のところはリェーチカが惹かれ始めたほうが先だった、……のかもしれない、けど、そこは私にすらよくわからないので読者様方も汲み取れないと思う。

普段「絶対に主人公が先に惚れろ!!」と唸ってる怪物にしてはこれだけで上出来だよ……。



②サブカプ多すぎ

これも(カプ厨のくせに)主人公関係のカップリングに上手く萌えられない弊害の一つなんですけど。本来ならオーヨとジェニンカだけで充分、足すにしてもギューク×マーニャを匂わせる程度で留めておけばよいものを。

セーチャとシーニャとか、トーリィとヴェルーシャとか、誰得がすぎるぞ……。

私は楽しかったけど。読者各位はきっとどうでもいいと思うんだろうなって思いながらも書く手が止まらなかった程度には。


もちろんユーリィ×リェーチカに愛がないわけじゃないです。

ただ本編時間軸ではくっつかないので、二人を番外編に切り分けた結果、本編のラブコメ分を周りで補填していた感はありますね……。

あと関係性萌えなので、いろんな組み合わせの男女が見たいんじゃわりゃあ。



③すぐ決闘する

幸獣のころ『マヌルド人は気性が荒くてやたらと決闘を好む』とか言ってたような気がするんですけど、雪解けにおいてはハーシ人もたいがい決闘しまくっている。笑

意見が対立し始めると「もういいから河原で殴り合ってこいよ」みたいな気持ちになってしまう輩が書いているので……脳筋だから論戦とか策謀とかわからない……。


せっかくマーニャやポランカみたいな上流女子がいるので、本来なら『自分の手は汚さず周囲を上手く使って相手を貶める陰湿な女の争い』みたいなフェーズにも挑戦したかったのですが、勉強不足すぎてなんも(相手を貶める策とかが)思い浮かびませんでした。いつか再トライしたいです。

なんか女子を書こうとすればするほど己の女子力の低さを思い知る感じはありました。



④差別問題とは

……いうて学生個人で対処できるものではないし……。

本来ならユーリィの家族も出して、リェーチカが彼の交際相手として認めてもらうまでの流れを書くべきだとは思ったんですが。

リェーチカ自身の目標は卒業することだし、卒業するまで告白しないので付き合わないし、っていうのがあって本編中ではこれ以上触れられなかった。


ただ絶対に外せなかったのは、ユーリィからの差別的な言動に対してリェーチカが「部族長家の人間」として受け止め、そのために彼の好意を受け入れられないと苦悩するターンですね。

二人は個人である前に公人としての立場を持っている。そこがただのいじめっ子といじめられっ子の関係とは違うところで、私自身がこの作品を「いじめ問題の話」とは思っていない最大の理由でもあります。

なので、いじめという単語を表立って(タグや宣伝文等で)使うこともなるべく控えました。

どちらかというと民族紛争の話で、ロミジュリの文脈です。


あと社会的にはどうしてもリェーチカの立場が弱いので、家族を説得するのはどちらかというとユーリィの仕事なんだよな……っていうのもあった。それはたぶん楽しくない。私が。

そして仮に両親を折れさせて二人が結婚しても、ワレンシュキ家の家督は弟に譲ることになるかもしれない。それくらい分断の壁が厚い。

あと前作主人公の三兄と違ってリェーチカには神の加護がないので。



⑤愛称と本名

なんでこんなことになったかというと、もともと『幸福の国の獣たち』という長編が先にありまして、そこではハーシは大陸にある五つの国の一つでしかなかったからです。他に色んな国の人がいて、ハーシ人の登場人物はミルンの家族くらいしか出てこなかった。

だから愛称文化もそこでは悪目立ちはしていなかったのです……。


が。いざハーシという国だけをメイン舞台に据えますと。

全員分の本名と愛称を考えねばならず! しかも大半が銀髪なうえに髪型もみつあみ縛り!!

というちょっとした地獄に陥りました。はっはっは。しかも愛称形もスラヴ語風のニュアンスを大事にした結果似たような音が並んでますますわかりにくい……!

(ジーニャとシーニャとか、同じ場面に並んで初めて気づいて愕然とした。幸獣時代からのメンツなので今さら変更できないし……。

 ちなみに濁点ついてるのが次兄で清音のほうが義妹です)


本当にこれについては非常に反省しています。あまりややこしくならないように作中では強調したい場面を除いて愛称呼びで統一しましたが、逆にそれで本名が覚えられていない人が大多数なんじゃないかな。




●良かった点

・同じ世界観で継続して描くことによる設定の深掘り

・幸獣との繋がりを残しつつ、独立した話として完成させられた

・『好き』をいっぱい詰めたので楽しかった



①世界観

幸獣のときは紋唱術の設定を超ふんわりしか考えてなかったのですが。まさにそれを学ぶ場所を舞台にした結果、否応なしに定期的な説明が入るので言語化せざるを得なくなったというか。

あと聖盟祭という名の擬似クリスマスとか、コスプレボランティアのくだりがやりたいがために新しく生やしたんですが、結果的に世界の深みが増したんじゃないかと勝手に思って満足しています。



②前作との繋がり&独立性

ひとまず『前作読んでないとわからない部分』はなかったかと……なかったよね!?

たまに前作組をゲストに呼んで遊んだので『誰だコイツ?』は多少あったでしょうが、ストーリーの理解に支障をきたすレベルではなかったはずなので許容範囲……のはず……。


逆にこちらで幸獣のネタバレをなるべくしないように、とは思ったけど、それは無理でした。

でも雪解けでわかる範囲からでは想像できない部分のほうが大半なので、雪解けのあとに幸獣をお読みいただいても大丈夫かと。



③好きの盛り合わせ

・多種多様な動物たち

(雪国舞台なので変温動物は出しにくかったけど…)

・古代遺跡

・ごはん&料理

・ホラーコンテンツを体験するキャラたちの反応

・民族衣装と民俗文化

・女の友情、ピンチ&復旧あり

・観光ツアー、秋の自然添え

・魔法バトル

・パートナーと惹かれ合いつつ対立する主人公


私もユキヒョウもふもふしたい。その点に関しては心底リェーチカが羨ましいです……。笑

あと今回は拙作あるある『戦闘狂女』のポジションがリスの姐御なので、見てくれの可愛げ値が高めなのも良かった気がする。どんなに昂られてもかわいい。




●まとめ

なんか描き始めたころは20万字くらいで終わらないかな~とか言っていたのに無事に倍越えてますね。そんな気はした。

これでも白ハーシ組の過去編とかリェーチカ以外の親兄弟とかは省いたんですよ。ジェニンカ&ユーリィの弟たちが(兄姉が対立してからも)仲良い描写とか、どっかに挟みたかったな。


▼なろう版イラストまとめページ

ttps://ncode.syosetu.com/n9758ik/154

近況ノートにないイラストも格納しています。どうでもいい裏話付き。


ともあれ無事に春が来ましたので、雪解けのお話はこれでおしまいです。

長らくお付き合いくださり誠にありがとうございました。





●予告&宣伝



【鳴かぬ蛍は〈残響ノイズ〉をころす】

残留思念が怪物化して人を襲う。民衆は恐怖し、街は荒廃した。

なぜか声を出せず、幼少時の記憶を持たない少女・蛍は、恩人でもあるおしゃべりな少年・時雨とともに怪物〈音念ノイズ〉に対抗する組織の一員として日夜戦っている。


ある日、蛍の前に『自分にそっくりな少女』の音念が現れた。

過去の闇が生んだ悪意、今を生きる二人の絆と、十人十色の仲間たち。相容れることのない音色がぶつかり合えば、おぞましくも愉快な不協和音が奏でられる――。


軍刀型の電子音叉で〈想い〉を葬る、少年少女の現代サイバーパンク活劇ローファンタジー。

▶現在公開中/話数未定



【生ける鋼鉄はがねのリーヴェネーク】(仮)

行方不明になった考古学者の父を助けるため、少女ルダは母に内緒で飛び出した。頼りになるけど危なっかしい相方は、兄弟同然に育った旧文明の遺物『生きているロボット』の少年ソル。

ルダたちはたった二人で、谷底に沈む古代都市『叡智の裂け目』に挑む。

ところが眠っていたはずの遺跡は目覚め、子どもたちとマスコット一匹は、何者かの強烈な敵意に晒される――。


『彼らは滅ばねばならなかった。これは我々の復讐だ。

 そして、まだ終わってはいない……』


異変の原因。父の行方、それぞれの想いと、相反する願い。古の亡霊が語るは歴史の闇。

真実を求める少女らが古代の機械都市を駆け回る、遺跡探索ジュブナイルロマン。

▶近日公開予定/話数未定



 ではまた、どこかでお会いしましよう。

 ――空烏 有架 拝



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雪を解いて春を招(よ)べ 空烏 有架(カラクロアリカ) @nonentity

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