玄関を開けたらそこは異世界──そんな突飛な設定が、冒頭から心をつかむ七生さんの作品『🚪玄関あけたら2秒でダンジョン‼』。日常と非日常が絶妙に交錯し、私たち読者を笑いと驚きの冒険へと誘います。
自宅玄関が異世界ダンジョンに繋がるというシュールな展開に、思わず「これぞ異世界転移ものの新境地!」と感嘆せざるを得ません。特に、宅配ボックスという日常的なアイテムが異世界通貨やアイテム生成に役立つという発想は、現代生活の便利さを再確認させられる斬新な仕掛けでした。
主人公の佐藤が袋ラーメンを駆使してレベルアップを目指すシーンには、思わずクスリと笑ってしまいます。異世界で“成長促進食品”として崇められるラーメンが持つ魔力は、現代人にとっても親しみ深いもの。その日常性が、異世界という非日常をユーモアたっぷりに彩ります。
北欧系美少女クリスの登場も見逃せません。元ドワーフという設定に「なるほど」と膝を打ちながら、彼女の戦闘スキルと、佐藤の現代知識による「異世界ビジネス」との掛け合いが物語を軽快に進めます。彼女が抱える過去の痛みと、それを乗り越え共に戦う姿は感動を呼びます。
日常の中にある冒険と成長が詰まった本作品は、現代の知識と異世界のロマンが交差する成長物語として一読の価値あり。笑いと感動を共に味わえる作品となっています。
なぜか部屋ごと異世界に転移してしまった主人公
しかも出てきた先は、ダンジョンの十階層
だけどモンスター相手に戦える自信はまったくなし!
それでも元の世界へ帰るには
レベル100を目指さなくてはいけません
考えついたのは、袋ラーメンを提供することで
お金と経験値を稼ごうというもの
おなじみのカレーやラーメンのようなインスタント食品が
異界の人たちに気に入ってもらえるのは
やはり楽しいものがありますね
キャラクタでは、ヒロインのクリスが特に魅力的です
サラリーマンをシャーマンだと思い込み、
一途に慕ってくれるところが、とても可愛らしいと思います
テンポがよく、文章も明快で
サクサク読み進めることができます
部屋からダンジョンに繋がると言う、よく見る展開かもしれませんが、内容を見れば正にタイトル通りと袋ラーメンがメインとなるお話が続きます。
俺TSUEEEや、ありきたりな人間関係のいざこざもなく、更には主人公となる人物もチートと思える強さは見せません。
ですが人との初めての繋がり、それを通して物語を進めるのはファンタジー冒険物語と言うよりも、日常を描いた内容でした。
一話一話が短いので物足りないと思う方もいるかもしれません。
事実、私は一話から最終話+SS話を全て読み終えるのに6時間もかかりませんでした。
物語自体は綺麗に終わらせていますが、SS話も十分楽しめる内容となっておりました。