猿山学校の日常と非日常

オッパっピー

第1話「始まり~始まり~」

リリリリリ…リリリリリ…リリリリリ…ドン!


この部屋の主である柏原悠人による目覚まし時計への容赦のないかかと落としにより、今日の戦いは悠人に軍配が上がった。


目をごしごし擦りながら起きた悠人。気持ちよく伸びをし、何気なく時計に目をやる。只今7時15分。悠人の家から学校までが1時間。1時間目の授業が始まるのが8時ちょうど。ここまで思考が追いつき、その意味もわかった悠人は固まった。そして、固まっている時間もないのに気づき、


「遅刻だー!!!」


と、学校へとかけていった。


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学校につき、時間を確認すると、8時10分。

5分も予定より早く着いた自分を褒め称えつつ教室に行き、


「おっはよー♪」


と鼻歌まじりに扉を開くと、


「遅い!!」


と、担任の国語教師の怒鳴り声が響いた。悠人の高まった気持ちが風が吹いた後の線香花火のように散っていったのは言うまでもない(言っているが)。すごすごと自分の席に座ると、周りの奴(主に茂と龍人である)からの


「ちっこっくー!ちっこっくー!」


と、(あいつ遅刻してやんのー!精勤消えたなー!)という他人の失敗を喜ぶ感情が読み取れた。(というかこの感情を読み取れないやつは、国語は万年赤点だろう。)しょうがない。もともと、初日に遅刻しているのだし精勤は無理だし。しかも、俺もスマホ取り上げられてるやつを見て


(ザマァ!)


と思ってしまうのだし。(何が『ザマァ!』なのかは自分でも分からない)中学一年の男子には相手にシンパシーを持つことなど不可能なのだ。察してもらいたい。


いや、今、全ての中学一年の男子は不可能だと言ってしまったが、そうではないかもしれない。


俺のクラスは“不動動物園の猿山“と呼ばれている悪名高きクラスなので、一般の中一男子はお目にかかれないのだ。(学校全体が動物園なのだ。他の大体のクラスの事情も察してもらいたい。)


どれだけ酷いか分かりやすく言うと、この遅刻魔の俺が学級委員というクラスなのだ!

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