第3話「我がクラスの恋愛事情その1」
さて、俺のクラスの紹介で女子が出てこなかったことに疑問を持つ御方もいるかもしれない。(女子がいないと知りがっかりした人もいるかもしれない。俺もだよ。)
なぜか。男子校だからである。
入学してきたということはうちの学校が男子校だと知っていたということである。
なのに何をこいつらは騒いでいるんだか…。
「なぜうちの学校には女子がいないんですか!」
「校則第2条『入学資格は小学校の教育課程を修了している12歳以上の試験に合格した男児だけが持っている』というところを改定するべきです!」
断っておくが、今は授業中である。
今は科学の時間であり教壇にもしっかり先生が立っている。
だけどその先生もが
「僕も校長先生に言ってみたんだけどね…。」
と言っている。
皆がホントに女子がいなくて寂しがっているわけじゃないと思うんだけどね。
みんなが言っているから自分も、みたいな風潮に流されちゃっているのだろう。それがどんどん連鎖していく。ホント、バカみたいな話だ。
だから俺は言う。
「共学行けばよかった!」
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突然だが皆さんは『リア充』という言葉を知っているだろうか。
「学校日誌」によると、彼女がいる人のことを指すらしい。
そして、もう一つの意味もあるらしい。
男子校生徒にとって忌むべきもの、という意味である。
その伝統は広まり、リア充狩りなるものが絶賛発動中である。
まあ、大したことをするわけではない。リア充を見つけてからかうだけである。かわいいものだ。あの茂達のからかいを受けるわけだけどね。
「お前彼女いるんだって?」
「デートいつするんだよ?まあまあな頻度で会わないと嫌われるぞ。」
からかいというよりはおせっかいだわ。
そして、我がクラスでも見事にこの捜査網に引っかかったやつがいる。
佐々木である。
入学したての時にスマホの待ち受け画面に使っている彼女の写真を龍人に見られて問い詰められて言ってしまっていたらしい。
知らない人を信用してはいけないという話の題材に使えそうだ。
しかし、この話がうわさでとどまっているのには訳がある。
情報源が龍人だというところである。
おかげで今佐々木は
「彼女いるんでしょ?モテモテ―!」
「モテ男!」
「メールとかでしっかり話してるか?」
という程度のからかいで済んでいる。済んでないという見方も出来る。
俺の知的好奇心―野次馬根性がこの噂の真偽を確かめたいと叫んでいる。知的好奇心は大切にしなければならない。よって、確かめようとしたのだがここで大切なことに気が付いた。
俺、あいつとそんなに仲良くないわ。宿題見せてもらったぐらいでそんな話してないわ。
どうしようかと悩んでいたが、日ごろの行いが良いと神様も助けてくれるらしい。神様も真偽を知りたかっただけかもしれないが。
今更だが、佐々木と同じ電車だとわかったのだ。ラッキー!
今日のダジャレ「おせっかいをとおせっかい!」
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