第4話「我がクラスの恋愛事情その2」
ホームに1人の少年が立っていた。
佐々木彰である。
スマホをいじくっていた彼の背後から怪しい影がニュッとでてきた。
柏原原悠人である。
彼は電車に乗った佐々木少年の後をまるで影(そんなカッコよくないな。金魚の糞か。)のようにくっついて電車に乗ったのだった…。
「やあ!佐々木少年!」
「よお。」
車内に静けさが舞い降りた。
「お前彼女がいるって本当なのか?」
「何のこと?」
車内に静けさが舞い降りた。
「隠さずにほんとのことを言えよ。俺はお前の仲間だぜ。」
「犯人だと探偵に言われた人が『犯人は俺じゃない!』というのと同じくらいの説得力があるね。」
車内に…(以下略)
「お前俺に宿題見せてくれたりしただろ。」
「授業が始まる一分前に汗だらけの顔で頼まれたもの。汗垂らしてるんだもの。早くどいてもらいたいんだもの。」
グサッ!言葉の刃が俺の体に突き刺さる。
静寂の大セールである。
フッ、お前が中厭中の言葉の使い手だということは認めてやろう。だがな、それでも茂には勝てん。あ奴はロジカルモンスターを超越しせしもの。
もはやただのモンスターなのだ!そんな奴と一緒にいる俺に何度モンスター(害獣)の牙が突き刺さったと思っているのだ!俺の精神なめんな!
すると、脳内に茂が現れた。
「人のことをそんな風に言うなんていい度胸だな。自分のことを鼓舞するためには人の悪口を言わないといけないのか?もっとほかの方法があるだろバカ。この脳筋が。あっ、けどお前そんな筋肉ないし脳シボウか。二つの意味でね。」
スタコラということだけ言って去っていく茂。
どうしよう。こころ折れそう。
「小錦~小錦~」
佐々木が『お前降りねえのか』的な目線で見てきてるが無視。
ガタンゴトン…ガタンゴトン…ガタンゴタトン…
「広小路~広小路~」
佐々木が見てくるがまた無視。
これを後二回繰り返すしたら、佐々木が折れて、
「誰にも言うなよ(言ったら…^_^デス)」
と言ってきた。
「うん!」
この時の俺にはしっぽが見えていたかもしれない。
そんな俺を見て溜息をつきながらも教えてくれた。
「いいか?俺には彼女がいる。携帯の待ち受けの写真も彼女の写真だ。小学校の卒業式で告ったんだ。」
「お前の待ち受けも一回見せてもらえない?」
「なんか言った?」
黙るしかなかった。
「南広場前~南広場前~」
降りた俺を見て佐々木が驚いたように言った。
「お前もこの駅なのか…?」
恐る恐るという言葉はこの時のためにあるんだなと思うような感じだった。
「フッ、また詮索されるんじゃないかと思ってるんだろ。それはかわいそうだし俺はちょっと寄り道してからにするかな。」
佐々木はもっと驚いた顔をして、
「どうも…」
と言って一段飛ばしで階段を駆け上がっていった。
佐々木の姿が見えなくなった俺は、さっきのと逆方向の電車に乗った。
収穫が結構あって好奇心のコップが満たされた俺は満足して家に帰り、塾に遅れて塾の先生に怒られるのだった。
今日のダジャレ「大丈夫だ。詮索されないようにする方法は千策ある。」
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