彼女に気づかれたくなかったのは、投稿してた小説? それとも自分の想い?

 この物語の主人公が、部活の朝練でもないのに、朝早く家を出て通学するのにはわけがあった。

「やった! 今日の更新分来てる、早く読みたいなぁ」

 春先に見つけたWeb小説にはまり、この為だけに毎朝数本早い電車に乗る主人公。そんな彼女が、些細な楽しみにしているWeb小説があるのだ。

 今日も新たな更新分を楽しんだあとで、その物語の舞台と自分の通う高校が似ていることに気がついた。ただの偶然とは思いながらも、余計に親近感が募り始め……。
 友人たちに後押しされて、その物語にコメントを書いてみた。
 すると……。

 この物語、作中作以上に『恋模様』がままならない。だから、おもしろいのだけど。
 綴られた物語はやがて彼女の物語となってゆく日がくるのだろう……か?

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