夜毎に深みを増していく、父と娘と謎の男が紡ぐ愛

亡くなった母のことを知りたいと願った、主人公の未花。
そんな彼女が、優秀な科学者である父の開発した技術を使い、真実を探しはじめるところから物語が始まります。

その過程で出会ったのは、加納という、以前父の研究所をクビになった男でした。彼は彼自身の目的により、未花に協力すると言います。

「SCT」と呼ばれる技術によって未花が得る情報、加納が知っていること、できること。そして、二人の関係。

最後に真実が明らかになったとき、あぁ、これはこういうことだったのか！という納得をもたらしてくれます。
読みやすい語り口と短さの中で、これだけの伏線や構成を考えられるのが見事だと思いました。

おすすめです。