山でたびたび起こる怪異な出来事。それはとても人間の仕業とは思えなかった

 ある旅人が語る不思議な話。
 ちょっと奇妙な、それでいて御伽話のような話です。もしかしたら、こういうものを寓話というのかも知れません。

 一夜のうちに、その山の草がすべて刈り取られてしまうというのです。それも一度ではない。二度。三度と起こる。
 そして、その謎を確かめに行った少年が目にしたものは……。


 ちょっと不思議な話を、旅人が語るという形式で描いています。ファンタジーもしくはお伽話ともとれますが、やはりこれは寓話というのが相応しいのではないでしょうか。

 短く、簡潔で、すぐに読めます。
 が、そのわりに、深く考えさせられるものがあります。今の世の中がこんな状況であるからこそ、ここで語られている物語が、教訓として心に刺さります。

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