山でたびたび起こる怪異な出来事。それはとても人間の仕業とは思えなかった
- ★★★ Excellent!!!
ある旅人が語る不思議な話。
ちょっと奇妙な、それでいて御伽話のような話です。もしかしたら、こういうものを寓話というのかも知れません。
一夜のうちに、その山の草がすべて刈り取られてしまうというのです。それも一度ではない。二度。三度と起こる。
そして、その謎を確かめに行った少年が目にしたものは……。
ちょっと不思議な話を、旅人が語るという形式で描いています。ファンタジーもしくはお伽話ともとれますが、やはりこれは寓話というのが相応しいのではないでしょうか。
短く、簡潔で、すぐに読めます。
が、そのわりに、深く考えさせられるものがあります。今の世の中がこんな状況であるからこそ、ここで語られている物語が、教訓として心に刺さります。