短編の中によく練られたホラー要素でゾッとしました。ホラー苦手でありますが、最後まで目を通せて良かったです。
雪が降り積もる描写から、凍える寒さが浮かんでくる冒頭。読み進めるごとにゆっくりとにじり寄る恨みつらみ。読み終えた時に、怖さだけでない「何か」が残るお話です。寝苦しい夜に、ぜひ読んで欲しい作品です。
子供の病を治すため、止むを得ず「盗人」として行為に及ぶ父。やり場のない怒りや悲しみといった怨嗟の感情が最後の結末へと導いた。
素晴らしく練られたストーリー!あっという間に読んでしまいました…そして怖い!恨みが思わぬ形で実現してしまったようですね。主人には可哀想ですが、やったことを考えると因果応報としか言えませんね…人には優しくしようと、改めて思いました。
「一寸の虫にも五分の魂」とは言うが、人々は簡単に虫を踏みつぶし、平気で殺してしまう。同じ人間であっても、咎人はその罪の重さに関わりなく虫ケラ同然の扱いを受けることもある。虫ケラのように踏みにじられた者たちの無念は、やがて呻き声とともに踏みにじった者に襲いかかる……傲慢と怨嗟が渦巻く怪異譚。心の準備なく読むべからず……
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