コロナ禍の感染症病院

近衛源二郎

第1話 緊急入院してきました。

筆者の病気は、厚生労働省指定難病の、球脊髄性筋萎縮症という難病です。

発症してしまえば、もう、治す方法はありません。

今の地球上では、原因もわかっていないのです。

発症から約10年ほどで車イス生活になります。

約20年を過ぎると、呼吸器の合併症で死亡する確率が急激に上がります。

当然のこと、新型コロナ感染症による肺炎など、ひとたまりもありません。

筆者も、発症から23年となりました。もちろん人混みには、ちかづかないように、細心の注意を払っておりましたが、誤嚥性肺炎という合併症を発症してしまいました。

新型コロナを注意して、他の病気になるというアホさ加減に我ながら嫌気が。

訪問看護ステーションの看護師さんでは、どうしようもないところまで頑張っていただきましたが、仕方なく救急車を呼ぶことになりました。

自宅に救急車が到着した時には、38度7分の発熱とパルスオキシメーターの測定値は、83%。

血中酸素濃度が83%まで下がっておりました。

筆者の場合、かかりつけの病院が近所ですので、すぐに搬送していただきました。

救命救急病院ですので、感染症の検査を最初に、いわゆるPCR検査でございます。

結果を待つ間入院ということで、1人部屋に、筆者の場合、高熱と呼吸困難が出ていましたので、新型コロナの検査も仕方ないことでした。

結果は、当然陰性に。

筆者の場合、週に2回、各30分程度の外出しかしておりません。

外出支援や介護保険の点数の残りの結果、それ以上の外出は出来ないのです。

来訪者は、医療と介護関係者だけになっておりますので、ひどい言い方をすれば、感染できるほど元気じゃないのです。

筆者からすれば、感染できる方々は、元気な健常者なのです。

筆者の周りには、感染症対策を完璧にしている方々しかいないという状況の中、外出せずに感染できるほど、新型コロナもヒマではありません。

パルスオキシメーターの数値が83%にまで下がっているのは、呼吸困難ではありません。

もはや呼吸不全になります。

呼吸困難は、体内の酸素が不足しているとは限りません。

したがって、命に危険がない場合もあります。

呼吸困難は、時として、動悸息切れで済むことがあるのです。

呼吸不全になると、そんな悠長なことは言ってはいられません。

体内の様々な臓器に、酸素が送られず、命の危険が出てきます。

ということで、筆者の場合、命の危険がありました。

主治医をはじめ、専門医の皆さんがあわててられました。

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