第8話 難病患者にできること。

難病患者にできることは、できる限り病院を利用することでしょう。

その他にはないということを言わざるを得ません。

特に運動ニューロン病の皆さんは、療養型と呼ばれる病院でも頑張って入院を続ける方が人間的な人生を送れることでしょう。

ただし、療養型病院は、認知症高齢者と同じような対応をされますので、本当に我慢が必要です。

難病患者、特に運動ニューロン病と呼ばれる難病の人は、自身のことをしっかりした脳でわかっているのですから、認知症高齢者と同じ扱いは、我慢するのは大変でしょう。

それでも、自宅で1人で家族の帰宅を待っている間の不安や恐怖を考えると常に看護師やヘルパーが居てる空間は、安心できます。

つまり、神経難病患者、とりわけ運動ニューロン病の患者にはできることはありません。

動かなくなる身体をごまかしながら、不安や恐怖と向き合いつつ、死神を待つだけです。

テレビとラジオと白い壁だけの世界になります。

寝返りはできませんので、床擦れとも付き合うことになるかもしれません。

とにもかくにも、手の施しようがありませんので、どのように楽に死を向かえるのかということが、最大の課題になります。

自殺や安楽死は、今の日本では認められていませんので、現実的ではありません。

楽しいことは、たぶんないと思います。

せめて楽に痛みも苦しみも少なく死を向かえたいと思いませんか。

療養型病院で、認知症高齢者と同じ扱いを受けて最後を向かえるのは、家族のためにはなるような気もしますが、ご本人はかなり苦しいと思います。

自宅で最後を向かえることはできるのでしょうか。

訪問看護・訪問介護・訪問医療・訪問入浴等々を全て使える環境を整えても、そこで外気に触れることはなくなります。

筆者の場合、1週間に30分程度の外出しかできません。

それでもいいなら自宅で終末を向かえることもできると思います。

訪問看護とかかりつけ病院は同じ病院で、担当看護師は昔からの知り合いで病院の所在地が、筆者の自宅から1kmという至近距離で、ようやく自宅で暮らせています。

まぁ、自身で動くことはできないのですから、本当は何もわからなくなった方が楽なのかもしれません。

筆者は、認知症の母親も同居しておりますが。

楽しいことしかやらない母親、眠いからとどこでもかしこでも眠ってしまう等々、まぁ、好き放題で人生幸せよなどとほざいていられる母を見るにつけて、どちらが幸せな人生の最後なのかわからなくなってきます。

認知症の母親は要介護3です。

筆者のことも認識できてません。

それでも、要介護5の筆者が面倒を見なければならないのです。

ほぼ毎日、ディサービスにお世話になっておりますが。

介護保険の法律は、健常者の高齢者のための法律です。

小泉元総理がした最大の失策でしょう。

あと数年後には、認知症の高齢者が高齢者の2人人1人になると言われておりますが、現在の日本政府では介護保険どころか、医療保険すら護りきれない可能性があります。

政治家達は、高齢者は健常者でないと、介護保険の点数が足りないことがわかっていないでしょう。

しかし、高齢者で健常者がかなり少数派であることも認識しておられないでしょう。

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