第10話 最後は1人です。

人間、最後は1人で向かえるものです。

さみしいと思いますが、残念ながら、1人で三途の川を渡らなければならないんです。

奥様と手を繋いでは渡れません。

自宅で、家族や親族に看取られながら息を引き取れる人が、どれだけおられるんでしょうか。

高い位に上り詰めた人、資産家の人。

貧乏に苦しんだ人。

1人部屋、大部屋、特別室などありますが、大多数の人が病院で亡くなります。

難病患者も、大多数の患者が病院で亡くなります。

ただ、難病患者の場合、重度障害者福祉に助けられ、24時間介護という制度を使える可能性があります。

24時間、介護の専門家が自宅に滞在して患者を見守ってくれる制度です。

そして、24時間体制の訪問看護センターも事実上はあります。

もちろん、そんなに簡単ではありません。

制度の壁は、やはり分厚くて。

要介護5以上で、介護保険の点数を使いきり、なおかつ、障害福祉支援の区分が6以上の認定を受け

しばらく、過ごしてからになります。

筆者は今回、球脊髄性筋萎縮症に起因する誤嚥性肺炎で1ヵ月の入院を余儀なくされましたが、そこは、肺炎には違いがありませんので、PCR検査を受けました。

新型コロナ肺炎と見分けることは、至難の技でしょう。

治療方法は雲泥の差ですが。

新型コロナ肺炎には、今のところ特効薬がありません。

誤嚥性肺炎なら、普通の抗生物質で治る可能性が大きいですよね。

抗生物質で症状が落ち着いたところで、嚥下の訓練を始めますが、現在の嚥下訓練は、小さなゼリーを食べる、飲み込む、きちんと嚥下できるという訓練を数日やるのです。

もちろん、その間の食事はありません。

点滴栄養で、絶えず抗生物質も点滴しながら、嚥下訓練ですので、お腹が減る感覚は少ないと思います。

筆者も、お腹が減るという感覚はありませんでした。

筆者が罹患している、球脊髄性筋萎縮症は、喉の奥にある球球という嚥下のための筋肉が激しく萎縮していますので、誤嚥性肺炎は下手をすると致命傷になりかねません。

実際、球脊髄性筋萎縮症の患者さんは、かなりの確率で誤嚥性肺炎で亡くなります。

ただし、特効薬がありますので、早期発見早期治療で、助かることも事実です。

筆者は、少し息苦しくなってきた時点で訪問看護に連絡して判断をお任せしました。

少し手当てしてもらって、すぐに救急搬送になりました。

筆者の入院した病院は、県指定の新型コロナ重点病院ですが、そこは、かかりつけ病院のこと。

とりあえずの病室を準備して入院治療を始めてくれました。

入院した即日の夕方には、すでに呼吸が楽になっていました。

使用された薬剤の名前は存じませんが。

抗生物質だということだけは、教えてくれました。

途中試行錯誤はありましたが。

元気とまでは言えないものの、筆者は、今も存命しております。

病気は、ほとんどの病気が、早期発見早期治療で治ることが多いですよね。

ならば、病院は近い方が良いでしょう。

そして、躊躇わずに行くということも大切です。

今回のご報告は以上です。

また状況が変われば、ご報告いたしたく思います。

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コロナ禍の感染症病院 近衛源二郎 @Tanukioyaji

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