同じタイトルでいろんな作者さんが物語を思い思いに書く企画「同題異話」に参加されている作品です。
この作者さんの作品はほんとにどれも素晴らしくて、私はこの方のファンを自称しているのですが、今回オススメしたいのはこの物語の「構成」について。
本当に、物語の運び方が抜群にお上手なんですよ。もちろん物語としての完成度がすでに高いのですが、「この物語はどうして面白いのか」というひとつの要因に、物事の配置があると思うのです。
言い換えれば「どういう状況から」「どういうキッカケがあって」「物語がどの方向に動くか」ということなのですけど、このあたりのテクニカルな部分もすごく自然で、だからきっと読む手が止まらないと思うのです。
物語を書かれている方にこそオススメしたい、お手本になるような物語。ぜひ、ご覧あれ!
辛い出来事があって主人公は思い出の場所である遊園地の観覧車へ足を向けます。
そこは幼いころ迷子になった時のために両親と決めた目印の場所でした。
そんな観覧車の下で主人公はある人物に出会います。
そして、その人と話すうち主人公の心は段々と上向きになって……
辛いことがあると私だけ辛いと思ったり、人の悪いところばかり目についたりしてモヤモヤしてしまう……誰でもそんなことがありますよね。
でも誰か他人と話すうち、辛いのは私だけじゃないし、世の中にはいい人もいると気づける瞬間がある。
そんなことを思い出させてくれるお話でした☆