概要
些細な物語の犠牲者らの足跡
独立して読める掌編〜短編小説集。
主にエブリデイマジック、ライトSF、ハイファンタジー、ヒューマンドラマなど。
主にエブリデイマジック、ライトSF、ハイファンタジー、ヒューマンドラマなど。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!コメディの鬼才が描き出す「非日常の中の日常」
「日常の中の非日常ではなく、非日常の中の日常を描く」――とは、昨年惜しくも解散したラーメンズの小林賢太郎氏が自身のコントの作風を端的に言い表したフレーズであるが、この短編集が描き出す狂った世界の数々もまた、その形容で飾るに相応しい。
例えば、この中で最長話数を誇る『死ぬ部』。自殺を目的とする部活動という、この世の理を逸脱した世界観を提示しつつ、作中で描かれるのはあくまでそこに属する生徒にとっての“普通”の日常である。他の短編もしかりで、冒頭から狂った世界の枠組みを読者に見せつけながら、あくまで淡々とその世界の“普通”を描いており、そのギャップがシュールな笑いを呼ぶ。『乙女ゲームの世界に悪役…続きを読む