概要
バルキッシュジンジーグラウド
全ての事象に意味を求めがちな主人公・山田は、意味の無いことを追求する西塔の行動が理解できなかった。
理解できないというのは控えめな表現で、もっと言ってしまえば理解する気がそもそもなかった。
しかし、西塔の顔の良さと、彼女自身が感じている”意味”を山田に押し付けて来ないことから、二人は友達として上手くやっていた。むしろその妙な距離感に心地よさすら感じていた。
自分の悪癖など、彼女のそれに比べれば余程些細でどうでもいいことだと思えたのだ。
それはある種、山田にとっては救いだった。
二人の関係は変わっても、その在り方は変わらない。
その始まりともサイクルとも言える瞬間を切り取った作品。
理解できないというのは控えめな表現で、もっと言ってしまえば理解する気がそもそもなかった。
しかし、西塔の顔の良さと、彼女自身が感じている”意味”を山田に押し付けて来ないことから、二人は友達として上手くやっていた。むしろその妙な距離感に心地よさすら感じていた。
自分の悪癖など、彼女のそれに比べれば余程些細でどうでもいいことだと思えたのだ。
それはある種、山田にとっては救いだった。
二人の関係は変わっても、その在り方は変わらない。
その始まりともサイクルとも言える瞬間を切り取った作品。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!センスの塊。タイトルから結びの一文までが計算されている。
愛の輪郭を辿って浮かびあがらせるような作品で、この文字数なのにしっかりと二人のキャラクターと愛情、関係性が伝わってきました。書きたいこととその表現がメタ的に噛み合い、更にそこへ造語というオリジナリティーを加えることで、ほかにない作品になっていると思います。この世で最も普遍的な概念は愛か死になると思うのですが、共感性を担保しつつ陳腐にならないことは高度な擬似が要求されます。この短編はその部分をしっかりクリア出来ています。この二人って与えるものと受け取るものなので、一見関係が不均衡に見えるんだけど、ちゃんと受け取って大事にしていることが示されるだけで読者の側もカタルシスが得られるんですよね。愛だ…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!バルキッシュ、ジ……え、何? の掴みが最強のお手軽短編小説
このお話は「意味のないものが嫌いだ」という主人公のモノローグから始まります。そして、タイトルでもありこの作品において非常に重大なキーワードでもある「バルキッシュジンジーグラウド」、この言葉自体には、特に深い意味はありません。これは作者の造語なので、検索したところで何も出てきやしません。絶対僕と同じことして「???」ってなった人、たくさんいる。
まずタイトルの掴みが強いです。「え、今なんつった?」とついつい興味を惹かれてしまうその文字列は、それこそ掃いて捨てるほど溢れ返るweb小説の作品群の中でも異質な輝きで読者の目を集めます。
作品内には、バルキッシュジンジーグラウドを含め聞き慣れない単…続きを読む