サーカス団の豪奢な明かり、花火の色鮮やかな光、けだものの金色の目……夜を賑やかすお祭りの雰囲気が抜群。煌びやかな描写が多いからこそ、裏話のように進んでいく本筋もより引き立っているのだと感じました。
この作品の精緻な物語構築と豊かなキャラクター描写に引き込まれる!! 物語の舞台となる幻想的な祭りが「過去と現在」「現実と幻想」を巧みに交錯させ、スクロールする手が止まらなくなるほど引き込まれました。 トモエさんの緻密な世界観と深いキャラクター分析を通じて私たちにに時間を忘れさせる圧倒的な没入感を提供していて物語の各要素が完璧に組み合わさっていると感じました! 全体として、心に残る1作でした。
切り紙の祭りに降る雨と愛らしい子ども。なんとも心惹かれる世界が広がっていました。
説明になりがちな街の歴史をさらりと面白く書き流し、町や人々の描画が自然でその様子が目に浮かびます。少しだけ残酷、でも全体の文体は軽妙。原典ほど容赦がないようなことはないけど、現在のやさしくなった童話ほどでもない。お祭り中の夜の街を散歩しているような、そんな雰囲気に引き込まれました。
紙や本、鳥籠に錠前……そして魔物。ふんわりとしつつ、どこかほのかに昏い感じもする独特な世界観に浸れて幸せでした。町を長らく見続けてきた魔女とともに、人々の知らない歴史や世界を裏側から覗くような感覚でとても新鮮でおもしろかったです!
落ち着いた文体なのに、感情が豊かな不思議な物語。こういうやりとり、かけあい、大好きです。「紙」「鳥籠」「鍵」・・・世界観が素敵です。物語が、町がそのまま、根強く生きている感じがします!追記続編も何作か拝読しているのですが、文字通り彫りが深くなっていくかのようで、すごく面白いです!
世界観が幻想的で、重々しく進行していきます。鳥かごに封印されている、けだもの。ちょっとユーモラスな、けだものと人との対話。じわじわとこの世界に引き込まれていきます。
町の歴史、情景描写、住人の人柄がとても誠実に活写されていて、この童話的な世界観に自分も入りたくなってしまいます。そして読み進めるうちに、実際に入り込んだかのような感覚に。歴史的な建造物や伝説、職人、魔女の話、なんかが好きな方には特にお勧めします。
汽車、と言う言葉が似合う風景ですね。落ち着いていて。どこか、寒い地方かな、欧州のような...異世界なのかしら。ふんわり感、あります。